「島根大学へ大学訪問に行ってみたい」
そう思っても、東京や大阪の採用担当者にとって島根県は決して近い場所ではありません。
せっかく時間と交通費をかけて訪問するのであれば、島根大学について事前にしっかり調べ、効果的な大学訪問にしたいところです。
今回は、採用担当者の視点から島根大学の特徴、歴史、キャンパス、理系採用で注目したい学部、就職支援、大学訪問のポイントについて紹介します。
そして最後には、
「せっかく島根まで来たのだから、大学だけ見て帰るのはもったいない!」
ということで、大学訪問後に立ち寄りたい松江城や小泉八雲記念館、さらに名物・出雲そばについても紹介します。
Contents
島根大学とは?
島根大学は、島根県に本部を置く国立大学です。
現在の島根大学につながる大学は、1949年に旧制松江高等学校、島根師範学校、島根青年師範学校などを母体として発足しました。
その後、学部の設置や改組を重ね、2003年には旧島根大学と島根医科大学が統合。
現在の島根大学へとつながっています。
現在は人文社会系、教育系、医学系、理工系、農学・生命科学系など、幅広い分野を持つ総合大学です。
地方国立大学というと、「地元就職が中心なのでは?」というイメージを持つ採用担当者もいるかもしれませんが、過去の公式データによると、総合理工学部80.8%、生物資源科学部89.2%が県外出身だった年度もあるり、特に理系は県外比率が高い傾向が見えます。
そのため、島根大学は一度はチェックしておきたい大学です。
島根大学には2つの主要キャンパスがある
島根大学へ大学訪問をする前に、まず確認しておきたいのがキャンパスです。
島根大学は大きく、
・松江キャンパス
・出雲キャンパス
の2つに分かれています。
松江キャンパス
〒690-8504
島根県松江市西川津町1060
松江キャンパスには、
・法文学部
・教育学部
・人間科学部
・総合理工学部
・材料エネルギー学部
・生物資源科学部
があります。
大学院では、人文社会科学研究科、人間社会科学研究科、教育学研究科、総合理工学研究科、自然科学研究科などがあります。
出雲キャンパス
〒693-8501
島根県出雲市塩冶町89-1
出雲キャンパスには、
・医学部
・医学系研究科
があります。
注意したいのは、松江キャンパスと出雲キャンパスはかなり離れていることです。
同じ島根大学だから、
「午前中に松江キャンパスへ行って、そのまま歩いて医学部へ……」
なんてことはできません(笑)。
理系採用で総合理工学部、材料エネルギー学部、生物資源科学部を訪問するのであれば、目的地は「松江キャンパス」です。
理系採用なら松江キャンパスが重要
島根大学を理系採用という視点から見ると、松江キャンパスはかなり魅力的です。
なぜなら、
・総合理工学部
・材料エネルギー学部
・生物資源科学部
という異なるタイプの理系学部が同じキャンパスに集まっているからです。
例えばメーカーであれば機械・電気電子・材料系。
IT企業であれば情報系。
化学メーカーであれば化学・材料系。
食品・医薬・バイオ企業であれば生命科学・農学系。
採用する職種によって、かなり幅広い学生をターゲットにできます。
地方大学への大学訪問は、どうしても移動時間や交通費がかかります。
だからこそ、一度の訪問で複数の採用ターゲットへアプローチできる大学は、採用担当者にとって非常にありがたい存在です。
総合理工学部は幅広い理系人材が集まる
まず注目したいのが総合理工学部です。
総合理工学部という名前の通り、理学と工学の幅広い領域をカバーしています。
数学、物理、化学、地球科学、情報、機械、電気電子、建築など、企業の技術職や研究開発職につながるさまざまな分野があります。
採用担当者からすると、
「機械系学生が欲しい」
「情報系学生が欲しい」
「化学系学生が欲しい」
という複数のニーズを一つの大学で考えることができます。
理系採用を行っている企業であれば、まず確認しておきたい学部です。
材料系採用なら「材料エネルギー学部」
そして、現在の島根大学でぜひ覚えておきたいのが「材料エネルギー学部」です。
材料エネルギー学部は2023年4月に設置された比較的新しい学部です。
材料科学を中心として、エネルギーや環境などの社会課題に対応できる人材育成を目指しています。
扱う材料も、
・金属材料
・無機材料
・有機材料
・生体材料
など幅広く、情報分野の知識やスキルも組み合わせながら学びます。
素材、化学、自動車、半導体、電子部品、電池、エネルギーなどの業界で採用を行っている企業にとっては、非常に気になる学部ではないでしょうか。
新しい学部ということもあり、今後どのような企業へ卒業生が進んでいくのかも注目したいところです。
材料系の採用を行っている企業であれば、総合理工学部だけを見て帰らず、材料エネルギー学部にもアプローチしてみることをおすすめします。
バイオ・食品・農学系なら生物資源科学部
バイオ、食品、農学系の学生を採用したい企業であれば、生物資源科学部も忘れてはいけません。
生物資源科学部では、生命科学、農林生産、環境など、幅広い分野について学ぶことができます。
「農学部」という名称ではありませんが、企業側から見ると農学・生命科学系人材の重要な採用ターゲットになります。
例えば、
・食品メーカー
・医薬品関連企業
・化学メーカー
・バイオ関連企業
・農業・種苗関連企業
・環境関連企業
などでは、生物資源科学部の研究内容と自社の仕事がつながる可能性があります。
理系採用では「学部名」だけで判断するのではなく、研究室や研究テーマまで確認することが大切です。
生物資源科学部についても、自社で活躍できそうな研究分野がないか調べてみるといいでしょう。
実は島根県外出身の学生が多い
島根大学について、採用担当者にぜひ知っておいてほしいことがあります。
それが、
「島根大学=島根県出身者ばかりではない」
ということです。
島根大学は過去に、学生の8割近くが島根県外出身であることを大学公式サイトで紹介しています。
これはかなり面白い数字です。
地方国立大学を採用対象として考えるとき、
「島根大学なら島根県内で働きたい学生が多いのでは?」
と思ってしまうかもしれません。
しかし実際には、島根県だけではなく、中国地方や近畿地方などを中心に県外から多くの学生が集まっています。
つまり、
「島根大学だから勤務地も島根でなければ採用できない」
と考える必要はありません。
全国勤務の企業や、東京、大阪、名古屋などに研究所・事業所を持つ企業でも十分に採用ターゲットになります。
大学名や所在地だけで学生の勤務地志向を決めつけず、出身地や希望勤務地を確認することが重要です。
島根大学のキャリア支援窓口は?
大学訪問を行う採用担当者にとって、ここからがかなり重要です。
島根大学では、大学教育センターのキャリア担当が学生のキャリア形成や就職活動を支援しています。
松江キャンパスは、
〒690-8504
島根県松江市西川津町1060
です。
島根大学へ初めて訪問する場合や、大学全体へ求人情報を届けたい場合には、まずキャリア担当の情報を確認しておきましょう。
ただし、理系採用の場合は「大学全体のキャリア支援窓口だけ訪問して終わり」にしないことをおすすめします。
島根大学には、学部などごとに就職担当教員が設定されています。
採用したい学生の専攻が明確なのであれば、こちらへのアプローチも重要です。
島根大学への求人票は「キャリタスUC」
島根大学では、企業などから届く求人情報について「キャリタスUC」が利用されています。
求人票だけでなく、
・企業情報
・インターンシップ情報
・求人情報
などを学生が確認できる仕組みになっています。
そのため、島根大学へ大学訪問するのであれば、事前に求人情報を登録しておくことをおすすめします。
大学訪問で、
「今日は求人票を持ってきました」
だけで終わってしまうより、
「求人情報はすでにキャリタスUCへ登録しています。そのうえで、今年は○○系の学生を採用したいと考えています」
と話した方が、具体的な相談につながりやすくなります。
大学訪問前に求人票の登録状況を確認しておきましょう。
理系採用では「就職担当教員」を確認しよう
島根大学では、企業向けに就職担当教員の情報が公開されています。
理系採用の場合、
「大学へ行けば何とかなる」
ではなく、
「誰に会いに行くのか?」
まで決めておくことが重要です。
例えば材料系人材を採用したいのであれば材料エネルギー学部。
バイオ・食品系なら生物資源科学部。
機械・電気電子・情報などであれば総合理工学部。
このように、自社の採用ターゲットから逆算して訪問先を決めます。
ただし、就職担当教員は就職支援だけを仕事にしているわけではありません。
教育や研究を行っている先生です。
いきなり大量のメールを送るのではなく、
「なぜこの学部の学生を採用したいのか」
「どのような仕事内容なのか」
「どのような専攻の学生に興味を持っているのか」
を明確にしたうえで、丁寧にアポイントを取りましょう。
採用ターゲット別・島根大学の訪問先
ここまでの内容を、採用担当者目線で整理してみます。
機械・電気電子・情報・建築系を採用したい
総合理工学部を中心に確認しましょう。
技術職、設計、開発、ITエンジニアなどの採用を行っている企業にとって重要な訪問先です。
化学・材料・素材系を採用したい
総合理工学部と材料エネルギー学部を確認しましょう。
化学メーカー、素材メーカー、半導体、電子部品、自動車、電池、エネルギー関連企業などは、研究内容まで調べておきたいところです。
バイオ・食品・農学系を採用したい
生物資源科学部を確認しましょう。
食品、医薬、化学、バイオ、農業、環境などの企業であれば、研究室単位まで確認してみることをおすすめします。
幅広く理系学生を採用したい
まず大学のキャリア支援担当と接点を持ち、その後、採用ターゲットとなる学部の就職担当教員へアプローチする方法があります。
「大学訪問=キャリアセンターへ行く」
だけではありません。
特に理系採用では、
大学
↓
学部
↓
学科・コース
↓
研究室
と少しずつターゲットを絞っていくことで、大学訪問の精度が上がっていきます。
島根大学にはいつ行くべきなのか?
では今回のタイトル、
「島根大学にはいつ行くべきなのか?」
について考えてみます。
結論から言えば、
「学生が欲しくなってから行くのでは少し遅い」
と私は思います。
新卒採用では、募集を開始してから大学へ行き、
「学生を紹介してください!」
と言っても、なかなか難しいものです。
大学との関係は、一度の訪問で作られるものではありません。
求人情報を送る。
大学を訪問する。
翌年も訪問する。
採用実績が出たら報告する。
入社した学生が活躍していたら、そのことを大学へ伝える。
こうした積み重ねによって、
「あの会社は毎年、島根大学の学生を採用したいと思ってくれている」
と少しずつ認識してもらえるようになります。
特に島根大学のように東京から距離のある大学の場合、
「実際に島根まで来てくれた」
ということ自体がコミュニケーションの一つになります。
学生が必要になってからではなく、採用活動が本格化する前から接点を作っておく。
これが島根大学を訪問するタイミングとして重要だと思います。
島根大学松江キャンパスへのアクセス
理系採用で訪問することが多い松江キャンパスは、
島根県松江市西川津町1060
にあります。
東京方面からであれば、飛行機を利用するのが便利です。
松江へ向かう場合には、
・出雲縁結び空港
・米子鬼太郎空港
という選択肢があります。
利用する航空便と大学訪問の時間を確認しながら、使いやすい空港を選びましょう。
松江駅から島根大学松江キャンパスへは、路線バスなどで移動できます。
遠方から大学訪問をする場合、飛行機の遅延なども考え、アポイント時間には余裕を持たせておくことをおすすめします。
個人的には、せっかく島根まで行くのであれば、朝から予定を詰め込みすぎない方がいいと思います。
なぜなら……。
大学訪問が終わったあとにも、やることがあります(笑)。
せっかく松江まで来たなら「松江城」へ
ここからは完全に余談です(笑)。
でも、全国の大学を訪問している採用担当者だからこそ、その地域のことを知るのも大学訪問の楽しみだと思っています。
島根大学松江キャンパスを訪問したのであれば、ぜひ立ち寄ってほしいのが「松江城」です。
松江城の天守は国宝に指定されています。
現在まで残っている現存天守の一つで、松江を代表する観光スポットです。
4月から9月は比較的夕方まで見学しやすいため、大学訪問を早めの時間に終えれば、その後に立ち寄ることもできます。
秋から冬にかけては閉館時間が早くなるため、訪問する場合には時間を確認しておきましょう。
松江城まで来たら小泉八雲記念館へ
松江城へ行ったら、もう一か所立ち寄りたい場所があります。
小泉八雲記念館です。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、明治時代に日本へやってきた作家・日本研究者。
『怪談』で知られ、
「耳なし芳一」
「雪女」
などを知っている人も多いのではないでしょうか。
小泉八雲は松江で暮らした時期があり、松江城周辺には小泉八雲旧居と小泉八雲記念館があります。
松江城と一緒に回りやすいので、歴史好きの採用担当者ならぜひ立ち寄ってみてください。
大学訪問の記事なのに、だんだん日本史ブログみたいになってきましたが(笑)、これも大学訪問の楽しみということで。
そして最後は「出雲そば」
大学訪問。
松江城。
小泉八雲。
ここまで来たら、最後は島根名物を食べて帰りましょう。
おすすめは「出雲そば」です。
出雲そばは、そばの実を甘皮まで挽き込む「挽きぐるみ」という製法が特徴です。
一般的なそばと比較すると色が濃く、香りや風味が強いそばです。
代表的な食べ方には、
「割子そば」
「釜揚げそば」
があります。
初めて島根へ行くのであれば、ぜひ「割子そば」を食べてみてください。
出雲そば「割子そば」の食べ方
割子そばを注文すると、丸い器が3段ほど重なって出てきます。
初めて見ると、
「これはどうやって食べるんだ?」
となります(笑)。
でも食べ方を知ると面白い。
まず一番上のそばに、ネギ、海苔、もみじおろしなどの薬味をのせます。
そして、そばつゆを直接そばにかけます。
普通のざるそばのように「そばをつゆにつける」のではありません。
一段目を食べ終わったら、器に残ったつゆと薬味を二段目へ移します。
そして二段目を食べます。
食べ終わったら、また残ったつゆを三段目へ。
つまり、
1段目に薬味とつゆをかける
↓
1段目を食べる
↓
残ったつゆを2段目へ
↓
2段目を食べる
↓
残ったつゆを3段目へ
↓
3段目を食べる
という「つゆのリレー」です。
知らずに3段全部につゆをかけてしまう前に、ぜひ覚えておきましょう(笑)。
寒い時期なら、そば湯と一緒に食べる温かい「釜揚げそば」もおすすめです。
まとめ|島根大学は「わざわざ行く価値」のある大学
島根大学は、理系人材を採用している企業にとって非常に面白い国立大学です。
特に松江キャンパスには、
・総合理工学部
・材料エネルギー学部
・生物資源科学部
があり、機械、電気電子、情報、化学、材料、生命科学、農学など幅広い学生が学んでいます。
また、島根県外出身の学生が多いことも、全国採用を行う企業にとって重要なポイントです。
「島根大学だから島根勤務の求人でなければ難しい」
と決めつける必要はありません。
まず求人情報を届ける。
大学のキャリア支援担当と接点を作る。
採用したい学部・学科の就職担当教員を確認する。
必要であれば研究室まで調べる。
そして、一度訪問して終わるのではなく、毎年少しずつ関係を作っていく。
これが大学訪問の基本だと思います。
島根大学にはいつ行くべきなのか?
学生が欲しくなってからではなく、その前です。
そして、せっかく東京から島根まで行くのであれば、大学訪問だけして帰るのはもったいない。
仕事を終えたら松江城へ。
小泉八雲の足跡を訪ねる。
そして最後に出雲そば。
大学訪問をきっかけに、その大学だけではなく、その街のことも知って帰る。
そんな大学訪問もいいのではないでしょうか。

