今回のテーマは
「求人票から募集年齢や性別を見分ける方法」ですが、
まずは違った観点から書き始めたいと思います。
採用時における年齢や性別での差別
採用において年齢や性別で差別されることはあるのか?
時々聞かれることがある質問です。
表向きは年齢や性別における差別はないとされていますが、実際は勿論存在しており、
世間の人たちもそこは本音と建前で何となくは理解しているはずです。
この初歩的なミスマッチが起こるのは、ほぼ100%が応募での段階。
そしてこれは求人票の募集要項に原因があるからです。
募集条件における記載の制限
求職者が見る求人票には、性別や年齢の記載に関して非常にややこしいルールが沢山存在していますのでここで少し紹介したいと思います。
禁止されている募集内容
・性別を限定する、性別によって異なる条件をつける、男女のいずれかを優先する
→男性のみ、女性のみ、男性5名・女性3名 ※理由があれば「歓迎」はOK
・年齢制限を儲ける
→30歳以下のみ応募可
・誤解を与える内容や虚偽の記載
→有期雇用の可能性があるのに「正社員のみ」、給与20-25万にも関わらず「25万以上」と記載
・実務経験を必要とする免許資格
→ファイナルシャルプランナー1級の資格が必要
※職務上必要な資格であればOK「薬剤師」など
・地域や国籍を限定する
→「30分以内で通勤できる人」「日本国籍者」
認められている募集内容
・業務内容と必要な能力を列記
→「営業経験」「経理業務を行うので簿記2級程度の知識が必要」
・性別、年齢を限定しない表現
→「学生歓迎」「短時間勤務OK」
・新規学既卒者とそれに同等する者を採用する場合
→「来年3月に卒業予定」「学校卒業後3年以内の者」
条件付きで認められる年齢制限について
条件付きの年齢制限は認められることもある。
①定年年齢を上限として上限未満の向き雇用
定年60歳→60際未満
②長期勤務によるキャリア形成を図る
職務経験不可(実務経験不可の資格は記載可)
45歳未満新卒と同じ待遇にする。○○年3月卒業見込み
③労働基準法などで年齢制限
警備危険有害業務
④技能・ノウハウの継承で数少ない特定の年齢層
職種(小分類)、年齢層:30-49歳のうち5-10歳
⑤芸術、芸能で真実性の妖精
子役のため○歳以下の募集
⑥60歳以上の高齢者 ※上限を儲けるのはNG
面倒な求人作成ともっと面倒な応募者対応
このように求人には年齢や性別などに対して厳しい制限があるので、
表向きにはハードルの低い(低いように見える)求人が大量作成されるわけです。
そう、だから企業側としては求人票の段階で
「本当に採用したい人」を明確にはできないのです。
アパレル業界での営業経験がある35歳の男性を採用したい場合でも、
求人票の段階では業界や職種経験者の条件しか出すことができないため、
50歳女性の方からの応募もあるのです。
「未経験者20代男性」が欲しい会社の求人の応募条件を考えて下さい。
どうですか??
この時求人票に記載できるのは、
「未経験者可」としか記載できません。
その結果・・・
この仕事に興味のある女性、幅広い年齢層の男性、外国籍の方・・・
言い換えると100%採用にならない多くの人からの応募が殺到します。
採用担当者は採用可能性のない大量の応募者対応に追われるわけです。
地獄です。
たしか2007年の法改正で年齢制限をとっぱらったと思うのですが、
当時一気に大量応募が来たことを覚えています。
空気を読んでと叫んでいる求人のタイトル
そんな記載制限をかけられた採用担当者が使っているのが、
「20代男性活躍中!」とか「ママさんも多く在籍しています」といった、
暗に採用対象を求人中に入れる事。
※「○○歓迎」はNGだったと思います。
それから写真で訴えているケースもあって、
女性を採用したい場合は女性の写真を多用したりします。
これらの手法は業界内では凄くポピュラーなんですが、
意外に求職者間においては知らない人もおり、
「おいおい空気読んでくれよ」状態の応募ケースも多くあります。
求人から想定年齢や性別を見分ける方法結論
ということで冒頭に書いた
「採用において年齢や性別で差別されることはあるのか?」
こちらの回答になりますが、結論あります。大いにあります。
その見分け方としては、今回のテーマにもつながるのですが、
「求人票の中にあるメッセージを見つけて下さい。」
ちなみにこの文言を入れれば年齢切りが可能になる
「長期勤務によるキャリア形成を図る」という便利な言葉もあるので、
採用側はこれを使用しても良いでしょう。
ということで、年齢や性別での条件はあります!!
そして求人票を読み込むことでそれは見えてきます。