採用の裏側

体育会学生は採用されやすいのか?

10年ちょっと前くらいからメジャーになってきた印象のある体育会学生の採用。もちろんそれ以前からもありましたが、体育会学生専門の紹介やイベント会社の出現で、採用マーケットにおけるメジャー手法の一つになりました。

今回は、採用マーケットで話題になる体育会系の学生について、そのメリットとデメリットについて述べていきたいと思います。

体育会学生の採用メリット

まずはその採用メリット。

体育会学生の強みを、ネットで調べてみるとこのような記述が並んでいます。

ストレス耐性の高さ

大学であえて体育会を選び活動を続けてきたことは、高いストレス耐性の証明。これまでの競技人生において、仕事のプレッシャーに耐えパフォーマンスを発揮できる素養がある人材が体育会学生には多いと企業は見ています。

さらに、団体競技の組織で身につけてきたコミュニケーション力や、個人競技で常に自分自身と向き合い続けて培った分析力、また、時には仲間のサポートに回ることで組織に貢献できる協調性も、高く評価されることが多いようです。体育会学生の就活が商社や金融業界に強い印象があるのも、無形商材の営業にそうした“人間力”が生かせるという側面があるからでしょう。

規律への高い意識

コンプライアンスが厳しく求められる昨今、コンプライアンスに対する社員の意識の高さは企業側にとって非常に重要になっています。

体育会系の学生は先輩、後輩といった厳しい上下関係に基づく規律に加え、競技上のルールを遵守するマインドが養われていますので、「規律を守る」という点で高い意識を持っていることが期待できます。

チームワークの大切さを理解

部活においてミスをすればチームでカバーをする、声を掛け合うことで士気を高めるなど、体育会学生は当たり前にやってきました。

その行為は、企業が成果を出し続けるため必要な部署の垣根を超えたチームワーク力として企業においては必要とされます。

変化への対応力

チーム競技の場合、学生の入れ替わりやポジション変更によって個々の役割が変化します。

そのため常に変化に対応し、組織での自分の存在意義を考えることが必要になるため、試行錯誤を繰り返した回数・経験値が圧倒的に多くなります。こうした変化への対応力は仕事において常に必要とされるものです。

勝利へのこだわりが強い

最近ではみんな平等などと教育されますが、社会では常に競争し、勝てる商品やサービスを提供し続けることが重要です。試合に勝つことを大きな目標に掲げて勝つために努力した経験の中で、勝利へのこだわりが培われているはずです。

おじさん好みの体育会学生

各時代ごとに必ず存在する「最近の若者は」というコトバですが、これは当然採用の世界にもあります。

採用担当のおじさん達は、時代に合わせて変化して来た人の方が意外と少なく、昔のやり方や、自分たちの時代の経験がデフォルトになっているケースも少なくありません。

そのため、最近の学生達に面倒くささを感じている採用担当者もおり、「体育会学生」を改めて見ることで、

「いいじゃん体育会学生!うちも来年から採用強化だ!」となります。

上位大学の体育会学生!スポーツでは頭も使うし最高!

しかしまずは一考しましょう。

私の知っている会社で、年度の新卒採用を全て体育会学生に振り切ったとこがあったのですが(業者さんも止めろよと思いますが)、その結果、中盤戦からナビ掲載して落ち葉拾いをすることになりました。そして採用した体育会学生達も数年で退職しました。

※今回のテーマとは若干逸れますが、極端な母集団に振り切るのは難しく、そもそも新しいことは徐々に始めるべきという教訓ですね。

それでは、ここからは逆に体育会学生のデメリットを紹介していきたいと思います。

体育会学生のデメリット

時代遅れの年功序列

体育会の場合、1年奴隷で4年天皇のような縦社会が未だに残っています。OBの影響が強いところもあり、いわゆる実力よりも年功序列の世界が根強い世界。しかし逆に言えば、レギュラーになれなくてもこのレールに乗っていればいずれは最上級生。

最近世間で「悪」とされている年功序列が美しいとまだ崇められているのです。そんな環境で学生生活を過ごして来た学生達という捉え方も出来ます。

根拠なき伝統

意味のない「伝統」があるような環境もあります。

そしてそれを守ることこそが義務であり、疑問を持ったり変えることよりも、「耐えること」が美しいとされています。

それを守って来た体育会学生のたち。移り変わりの早いビジネスにおいて、それはただの悪しき遺産でしかありません。

狭い世界観

大学でプレーしているということは、小中高時代から続けている可能性が高く、その世界でのネットワークは非常に広いはずです。

一方で、アルバイトをする時間がなかったり、その世界しか知らない学生も多く、かえってコミュニティーが狭い学生も多いです。

独特の世界に長くおり特殊な感覚のまま視野も狭い。そのような可能性もあります。

脳筋

ずっとスポーツばっかりやっていて、高校も大学も推薦。●●バカのケースもあります。勉強を全然やってなくて、スポーツしかやって来てない。

体育会学生が、経験を言語化できないと言われるのは場数の問題ではなく、単純に語彙力が低いのです。

結論体育会学生もほどほどに

メリット・デメリットを見て頂きましたが、体育会学生の採用をするもしないも企業次第です。

別に賛成も反対もしませんが、良い面ばかり勧めてくる担当者には気をつけましょう。

その経験や素養を生かすことができるか?が大事であって、スポーツやって来ただけの経験では、関連の仕事以外では全く意味がないです。

ちなみに私が知らないだけかもしれませんが、最近世間で注目を浴びている経営者の方で体育会バリバリの人ってそれほど多くない気がしますが、どうなんでしょうか?

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