人事評価制度とは
●人事評価制度の目的
経営資源である人の面から、経営理念や経営計画の実現を図ること。
個人のレベルまで落とし込み査定・評価を行い人材育成に繋げていく。
●人事評価制度
設定している期待値に対してどれくらい成果を生み出したか?
期待値に対して高い場合:報酬制度で対応
期待値に対して足りない場合:教育制度で対応
●人事評価制度の全体像について
経営理念
何のために企業活動を行うか?企業理念やミッション、社訓、社是などとも呼ばれる
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経営ビジョン、期待する人材像
経営理念を基に事業を通じて将来的に成し遂げたいこと
※時代によって変わる。2025年計画など
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経営計画
実際に実現していくための行動指針
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人材要件が存在し適材適所に要員計画がある。
●人事のフレームワーク
(等級・階層)
社員の役割や期待することをランキングで分けたもの。
階層要件や階層定義で実際に求める能力が決定。
※昇格は昇格要件で決まる。「部長や課長といった役職は職位」
(職能要件)
職務に必要な能力の内容やレベルをまとめたもの。
職種ごとの専門要件(職群)と全体の共通要件がある。
社員を職能要件で等級区分して資格等級を設け、それをもとに評価制度や賃金制度がつくられる。
(評価項目) ※大きく分けると下記の3つ
1.成績評価
正確さや効率性などを含む仕事の質や、スピードや案件数、プロジェクト全体の貢献度を含む仕事量、与えられた目標の達成度などが評価項目。
2.能力評価
仕事を進める上での知識や経験、PDCAサイクルを回すためのスキルなどに対する評価。
知識の習得度、理解力やコミュニケーション能力、企画力やリーダーシップ、交渉力や決断力など。
3.情意評価
仕事への取り組み姿勢や勤務態度に対する評価。規律性、挑戦する姿勢や、責任感やコスト意識など。
その他、コンピテンシー評価を入れる会社も多い。
コンピテンシーとは、成果や性格ではなく行動特性によって人を評価する手法。
人事評価制度の目的
評価制度は、ただ評価するだけでなく被評価者に対して評価者がFBするところまでが必要。
部下育成、マネジメント、業務改善、協調性、積極性、責任感など。
●目標管理制度について
部門の方針→戦術→目標→個人の行動計画
評価者・被評価者が共に目標管理のプロセス管理を行う。
※目標(結果)のみに着目するのはNG
MBO
目標達成のための道具であって、目標未達管理の道具であってはならない。
○目標による管理×目標を管理
Y理論:性善説にもとずき魅力ある仕事を与えれば人は動く。
X理論:人間は本来怠け者であり管理が必要という考え方
評価制度における評価者の役割
●必要な能力
幅広い視野:俯瞰できる、時流の流れを見る、細分化し深掘りできる
適切な能力:プロセス管理、コミュニケーション能力、率先垂範力
的確な行動:経営と従業員の間に入りミドルアップダウンする能力
●人事評価の5原則
1.基準の明確化
・評価制度の内容を組織内で共有する
・運用方法を統一する
・考課基準を評価者間で一致させる
2.複数名で考課
3.対象期間を定める
4.一次考課者を重視する
5.私的な言動は排除する
●評価の付け方
・事実を選択する
曖昧な記憶やイメージで評価の対象とはしない
・要素の選択
選択したのはどの考課項目に当てはまるか?
※事実や行動は複数の考課項目としない。
・段階の選択
その事実や行動がどのランクになるのか?高すぎないか?低すぎないか?
●考課者エラー
中央化傾向
厳格化(寛大)※甘くなる、厳しくなりそう
論理的覚悟(根拠がない)
対比錯誤
ハロー効果
期間エラー
逆算エラー
●目標の立て方
SMARTの法則
S:具体的
M:計測可能
A:同意
R:現実的
T:期限が明確