調べたこと

募集・採用と労働契約

募集内容の記載について

法令により募集内容に制約があることに注意する。

禁止されている募集内容

・性別を限定する、性別によって異なる条件をつける、男女のいずれかを優先する
→男性のみ、女性のみ、男性5名・女性3名 ※理由があれば「歓迎」はOK

・年齢制限を儲ける
→30歳以下のみ応募可

・誤解を与える内容や虚偽の記載
→有期雇用の可能性があるのに「正社員のみ」、給与20-25万にも関わらず「25万以上」と記載

・実務経験を必要とする免許資格
→ファイナルシャルプランナー1級の資格が必要
※職務上必要な資格であればOK「薬剤師」など

・地域や国籍を限定する
→「30分以内で通勤できる人」「日本国籍者」

認められている募集内容

・業務内容と必要な能力を列記
→「営業経験」「経理業務を行うので簿記2級程度の知識が必要」

・性別、年齢を限定しない表現
→「学生歓迎」「短時間勤務OK」

・新規学既卒者とそれに同等する者を採用する場合
→「来年3月に卒業予定」「学校卒業後3年以内の者」

条件付きで認められる年齢制限について

条件付きの年齢制限は認められることもある。

①定年年齢を上限として上限未満の向き雇用
定年60歳→60際未満

②長期勤務によるキャリア形成を図る
職務経験不可(実務経験不可の資格は記載可)
45歳未満新卒と同じ待遇にする。○○年3月卒業見込み

③労働基準法などで年齢制限
警備危険有害業務

④技能・ノウハウの継承で数少ない特定の年齢層
職種(小分類)、年齢層:30-49歳のうち5-10歳

⑤芸術、芸能で真実性の妖精
子役のため○歳以下の募集

⑥60歳以上の高齢者 ※上限を儲けるのはNG

高齢者雇用安定法

①65歳まで引き上げる(17%)
②定年廃止(2-3%)
③65歳まで雇用継続(80%)
再雇用制度(雇用形態・賃金の見直し)、勤務延長制度(そのまま)

年少者の雇用制限事項

労働契約締結の保護:保護者や後見人でも締結はできない。
年齢証明書の備え付け:事業場には年齢を証明する公的な書面を備え付ける。
時間外労働・休日労働の制限:共にさせてはいけない。
深夜労働:22時〜5時までの労働は禁止
危険有害業務の制限、坑内労働の禁止:危険性が高い業務や有害な業務及び坑内業務の制限禁止。
変形労働時間制の制限:変形労働時間制での労働にも制限がある。

助成金の活用と受給条件

助成金とは

一定の条件を満たせば必ず支給される返済する必要のないお金。
雇用関係と研究開発型の助成金に分かれる。条件を満たせば複数の助成金を受け取ることも可能。
※補助金は審査があるので受け取れない場合がある。

助成金:厚生労働省
補助金:経済産業庁、自治体

(受給条件)
・雇用保険適用事業所であること
・期限内に申請すること
・前年度までの労働保険料の未納期間がないこと
・過去一年以内に労働関係法令違反がないこと
・採用予定日の前後6ヶ月間に会社都合で従業員を解雇していないこと

(採用に関する助成金)
トライアル雇用奨励金、特定求職者雇用開発助成金(3年以内既卒者等採用定着コース、特定就職困難者コース)、障害者トライアル雇用奨励金 など

採用選考時の注意点

採用選考時に配慮すること

〇書類選考・面接において
適性や能力に関係ない場合、聞いた入り、書かせたりしない事項。

①本人に責任のない事項
・戸籍や出生地に関すること(戸籍謄本や住民票)
・家族に関すること(家族の職業・勤務先、健康、地位、学位、収入)
・住宅状況(間取り、部屋数、種類)
・生活環境、家庭環境などに関すること

②本来本人の自由であるべき事項
・宗教、支持政党、尊敬する人、思想、愛読書(購読新聞)、労働組合に関する情報

〇採用選考において
就職差別につながる恐れがあるので行ってはならない事項。

・身元調査などの実施

〇健康情報に関して
特別に必要ない限り収集すべきでない情報

・採用選考時の健康診断の実施
・職場で観戦する可能性の低い病気(エイズ、B型肝炎)などの観戦の有無
・色覚以上などの遺伝情報についての情報

※前の職場等に履歴書の記載事項についての事実確認はできるが、勤務態度などは基本的に聞けない。

外国人の雇い入れと在留カード

外国人採用にあたっての注意ポイント

・在留カードの確認(在留カードがなければ就労はNG)
・在留資格が「留学」や「家族滞在」などは就労が認められない
※ただし資格外活動許可が下りていれば就労は可能。
・雇い入れ時と退職時に雇用期間や雇用保険加入の有無に関わらずハローワークに届出が必要。
・新卒は内定決定後、留学生自身が入国管理局において在留資格の変更手続きを行う。

在留カードのチェックポイント

①「就労制限の有無」の記載内容
「就労不可」:原則就労はNG
「~就労活動のみ可」:制限付きで就労が認められる※範囲は在留資格で確認
「就労制限なし」:制限なし

②「在留資格」の記載内容
制限範囲が記載しているので、①で制限付きになっている場合はここで確認。

③「資格外活動許可欄」の記載内容
①②で就労が出来ない場合でも、この欄に「許可」とあれば就労時間や場所の制限付きで就労可。
※詳しい内容は資格外活動許可書で確認。

外国人労働者について

外国人労働者

2018年.10月 146万人 ※全労働者の2%
(全在住者263万人)

中国・ベトナム・フィリピンが多い

①在留資格者(永住者・日本人配偶者など) 49.5万人
②専門的技術的分野 27.6万人 ※研究職、大学教授、スポーツ選手
③資格外活動(留学生) 29.8万人 ※週28時間までOK 就労の申請2週間〜2ヶ月
④技術実習生 30.8万人
5年まで延長が可能(3号):2号修了者が1ヶ月以上帰国、試験合格者がプラス2年

<特定技能>
14業種(外食・介護・農業など)
特定1号(上限5年):家族同伴不可(実習2号修了者は試験免除)
特定2号:家族同伴、永住への移行可※当面は建築と造船のみ
※実習生からの移行が半数

技能実習生=国際協力の推進
特定技能=労働者

EPAで看護師合格4700人(2008-2018)
ベトナム、フィリピン、インドネシア

新卒留学生

高等教育期間(大学・高等専門学校・専門学校)在籍→209万人(2018.5)
2016年卒業生2万3946人→8610人国内企業へ ※6割以上が就職希望

大学の取り組み
早稲田大学:キャリアセンターに留学生担当チーム
東洋大学:14年から就職支援プログラム拡大
明治大学:18年から1-2年対象留学生プログラム

日本で就業することができないビザ

文化活動(日本文化の研修者等)
3年、1年、6か月、3か月

短期滞在(観光客、親族訪問、会議参加者等)
90日、30日、15日

留学(日本語学校・専門学校・大学等の学生)
4年3か月、4年、3年3か月、3年、2年3か月、2年、1年3か月、1年、6か月、3か月

研修(研修生)
1年、6か月、3か月

家族滞在(在留外国人が扶養する配偶者・子)
5年、4年3か月、4年、3年3か月、3年、2年3か月、2年、1年3か月、1年、6か月、3か月

障害者雇用に関して

障害者の雇用義務

一定規模の企業は法定の障害者雇用率以上の障害者を採用する義務がある。
対象となる会社は、毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告する義務がある。

雇用率を越えて採用している企業には「障害者雇用調整金」が支給(27,000円/月)。
下回る企業は障害者雇用納付金の納付義務が発生。
民間企業2.2% 45.5人以上の規模は1名以上採用義務。
100名以上の会社は一人につき5万円/月を納付(令和2年まで4万円)。

実雇用率=
障害者である常用雇用者+障害者である短時間雇用者(0.5でカウント)÷
全体の常用雇用者+全体の短時間雇用者×0.5

常用ー30時間以上
短時間ー20〜30時間未満
※重度身体障害者、重度知的障害者はダブルカウント
※精神障害者も障害者としてカウントするようになった

雇用障害者数 47万人(2016年)

内定通知と取り消しについて

内定通知は書面で

内定通知は口頭でも可能だが、トラブルになるケースもあるので書面で出すのが一般的。
「採用内定通知書」を出し、内定者からは「誓約書」を提出してもらう。
※内定を取り消すことに関しては、労働契約の解除になるので解雇に相当する。

内定取り消しについて

内定は正式名称を「始期付・解約権留保労働契約」になるので、内定時には知ることや予測する事が
できなかった事実が起きた時(成績不良での卒業が出来ない、健康状態が悪化した、経歴詐欺)には、
内定取り消しが認められる。
また、会社都合で取り消しが出来るのは、「新規採用採用を断念しなければならないような経営事情が発生した時」に限定されている。

内定取り消しを行う場合は、事前に学校とハローワークに通知しなければならない。
2年連続で内定取り消しを行うと厚生労働省が社名を公表することもある。

労働条件の説明と雇用契約書

労働基準法で必ず明示しなければならない労働条件が決まっている。
「労働条件通知書」よりも「雇用契約書」形式で、条件と意思の確認を書面で交わすことを奨励。

雇い入れ時に明示する事項

必ず書面で明示する

・労働契約の期間(無期または有期。有期の場合は契約期間など)
・就業場所
・業務内容
・始業時間、終業時間
・所定時間外労働の有無
・休憩時間
・休日、休暇
・交替勤務制をさせる場合は就業時転換について
・賃金の決定方法、計算・支払い方法、締切・支払いの時期
・退職に関する事項(解雇の事由を含む)
・昇給に関する事項 ※文書か口頭で伝える

制度ある場合、明示する(文書または口頭で)

・退職金のルール
・賞与のルール
・従業員に負担させる食事・作業用品など
・安全衛生のルール
・職業訓練の制度
・災害補償および業務外の傷病扶助
・表彰制度
・制裁のルールなど
・休職制度

服務規律

出退勤、マイカー通勤や自動車通勤、物品やデータの持ち込み・持ち出し、ハラスメント
競業避止、機密情報の保持など職場で最低限わきまえるべきマナーを記載。
会社は賃金支払いや安全配慮の義務を負うが、労働者も会社に対して労務提供義務や
自己保健義務(健康に気を付ける)などを負っている。

入社時提出書類リスト例

・雇用契約書
・入社誓約書
・機密保持誓約書
・貸与パソコン使用誓約書
・身元保証書
・運転免許証のコピー

・給与所得の扶養控除申告書(本年度分)
・本年中(1月~12月まで)の源泉徴収票
・年金手帳※社会保険加入時のみ
・雇用保険被保険者証※雇用保険加入時のみ

試用期間と本採用拒否

試用期間は仮採用という位置づけで、適性がないと判断すれば本採用拒否することも可能。
ただし労働契約は結んでいるので(解約権留保付労働契約)、合理的で社会通念上認められるような理由がなければいけない。
例:勤務態度が悪い、能力が不足している、虚偽の履歴があるなど、選考段階では見抜けなかった事実がわかった時に限られる。社風が合わない、雰囲気が暗いなどは当てはまらない。
(事実を客観的に確認できるように業務評価のデータを残しておくのが良い)

本採用拒否時は解雇と同様の手続きを行う。
期間満了の30日前に解雇予告を行うか、解雇予告手当てを支払う。
ただし入社14日以内の即時解雇は解雇予告は不要。
※本採用時に特別な対応は不要だが(条件が変わるなどがあれば新たに結ぶ必要はあり)、節目として本採用の事例を出すケースもある。
試用期間の長さに規定はないが、3〜6ヶ月で結ぶのが一般的。
3ヶ月で結び、見極めるのが難しいと判断した場合は延長することも可能。