紆余曲折ありましたが(今もありますが)、私は本を読んで参考になる部分や心に残ったページにポストイットを張っていますが、この本はそのポストイットがかなりの数になった本の一つです。
殆どの会社は知名度がゼロから採用活動がはじまります。まずは読んでほしいと思います。
以下備忘録です。
意識改革
社長が採用プロジェクトの先頭に立つ
まだ形すらない未来の事業について確信を持って語ることが出来るのは社長だけ。
一期一会にしない
単に学生を選ぶという視点だけでなく、将来の顧客やビジネスパートナーの開拓という視点も重要。
採用活動はブランディングの側面も持っている。
全員で採用活動に参加する
1.優秀な学生をしっかりとフォローする
2.自分自身が会社を見つめなおすきっかけにする
3.キラキラする学生を見ることで自信を取り戻す
4.育てる文化を形成する
採用基準
ノーマークな優秀な学生を狙う
レッドオーシャンゾーン:どこの企業も欲しい激戦区
→この中にも知中小やベンチャーに興味を持つ学生はいる。
例:他人と違うことに興味がある。新学部に入学・マイナースポーツ。行動が早い。など
ブルーオーシャンゾーン:比較的競争相手のいないゾーン
→地方学生、女性(男性)、留学生、中堅大学、高卒、既卒、志望する大企業に落ちた学生
志望動機を最初に評価するのは間違い
初対面の人間に自分の良さを聞くようなもの。特に分相応な学生の場合、志望度は採用する側が選考の過程で高めていかなければならない。当初は「選社基準」「選職基準」「就社基準」など一般論を聞けば良い。そこに学生たちの価値観が潜んでいる。
計画された偶発性も大切。
学生に求めるものは最小限にする
採用の基本は「裾野広ければ山高し」。広い範囲から探すことでより優秀な学生が採用できる。
潜在能力が低い=未熟な人ではない。
採用要件と育成要件は異なるので、入社後に教えれば身に着けることが出来るような育成要件を、採用時点でマスト条件にする必要はない。
すくすく系が伸びる成長する
最近は淡々として欲望のない若者たちを「情熱がない」「意欲がない」「根性がない」などと
言うが、現在は育ちの良いすくすく系の若者が成功するケースが増えている。
どれだけ自分に負荷をかけて頑張るか?⇒自らテーマを持って何をするか?
仕掛け
優秀な学生には採用とは別の方法で会う
興味のない会社の話は聞かない、あくまで後に採用の話をする下準備。
⇒人事担当者が指南する面接の受け方
若手社員に学生を紹介してもらう
自社の若手や内定者へ説明会+学生推薦のリスト作成。
会社をより良くするために彼らを巻き込む。類は友を呼ぶ。
年齢制限の枠を広げると優秀な人材に出会える
人生を寄り道してきた人の中には優秀な人もいるので、年齢だけで切ってしまうのは勿体無い。
中途バツイチ説:2回目になると、自分にとって何がいい会社なのか社会的な眼差しよりも、
自分軸に合った本当の就職活動になる。
既卒可30歳まで・第二新卒
人気企業の採用終了後にチャンスがやってくる
新卒採用は時期によってマーケットの事情がどんどん変わっていく。
5がつに断られた学生も、7月8月なら入社に至るケースもある。
エントリーだけして説明会に参加していなかった学生リストの洗い出し、大企業の採用終了後に声をかけると学生は喜んだりする。二の矢三の矢。時期外れのブルーオーシャン。
エントリーシートをやめると優秀な学生が集まる
知名度の低い会社が優秀な学生を集めるためには選考プロセスの見直しは重要。
エントリーから学生に負担をかけてはいけない。エントリーシートをなくすなど学生の労力を減らし、心理的なハードルを下げること縁が生まれて入社に至るケースもある。
ペルソナの設定や広報活動、面接の設計(質問作成)などは積極的に行うものの、一連の選考プロセスの設計をする人は殆どいない。手順を守ることを優先して目的が後回しになっているケースもよくある。
面接選考
習慣になるまで努力したエピソード
面接では過去の事実しか聞けなく、そのことを入社後もやってくれるかが重要。
エピソードではその成果だけでなく、どうしてそのような習慣を持つことになったかの歴史を聞き、
潜在ポテンシャルを見極める。
なぜそうしたかで優先順位がわかる
問題→対策→成果と言う質問・回答の流れの中で隠れている潜在的なプロセスを探る。
「なぜそうしたのか?」「なぜその問題を選んだのか?」でその学生の順位づけがわかる。
※新入社員が怒られる理由の一つにプライオリティを考えろ。と言うものがある。
なぜそれが原因だと思ったかで原因を捉える能力を図る
この質問でアイディアの展開力とそれをまとめる力がわかる。
「拡散と収束のプロセス」
仕事のできない人の特徴の1つとして「これで行こう」と最初に思いついたことにいつまでもこだわって時間だけが過ぎてしまうことがある。仕事のできる人は限られたリソースの中で思いつく限りのアイディアをあげ、選択肢を増やした段階で選択すると言うプロセスをふむ。
学生に求める能力の定義を共有化する
同じ言葉を使用していても候補者のポテンシャルを評価する基準が噛み合わないケースが多い。
①抽象化力:本質を見抜く力、場の空気や文脈を読む力
②展開力:本来の意味の論理的思考力
③具体化力:表現力、何かに例えて説明する力
④連想力:発想力、直感力、意外なもの同士を結びつけて考える力
中期選考では入社3年目までの若手社員を基準にする
中期選考ではその人のパーソナリティのジャッジに入る。行動特性や思考特性。
絶対人感を持っている人は非常に少ないので、比較対象できる人間を作ることは重要。
フォロー
信頼関係は採用担当の自己開示から
1.信頼関係を作る→お互いの共通点を探すなど採用の話を聞いてもらえる下地作り。
2.本音の就職志向を聞く
フォローで聞くのは主観、妄想、思い込み
フォローの際にヒヤリングすることは4つ
①モチベーションの源泉
本人のモチベーションがどこにあるのか?
組織型(会社の知名度)、仕事型(仕事自体の内容)、職場型(雰囲気)、生活型(プライベート
②キャリア志向
望むキャリアが存在するかどうか?
③自社に対するフックとネック
学生が期待している・懸念していることそれぞれがズレていないか?を確認する。
④強く影響を受けている人
両親が意思決定に影響を与えている場合も多い。
知名度の低い、小さな会社の場合は確認しておくことが必要。社会的証明を使用する。
土俵を変えれば大手企業とも勝負できる
勝負の土俵を変えて、本質的な話に持ち込むことで意外と戦えることがある。
動機の抽象化と定義のシフトを使う。
やりたいことを抽象化していくことで、両方に通じる根っこに気づかせる。
例:アメフトも野球と同じ団体スポーツで、それぞれのポジションで専門性が高い。
意思決定のスタイルを知っておく
入社意思が固まってきた際に重要なのが、学生の意思決定のスタイルを知っておくこと。
1.多くの情報で決める(論理型)→矛盾のない口説きのストーリーを伝える
2.少量の情報であれこれ考える(柔軟型)→懸念材料や思い込みを排除する
3.少しの情報で決める(決断型)→他社に決める前に押す
4.選択肢を残す(統合型)→ほっておく※ただし期限を決める
人材育成
入社前のキャリアを一度リセットさせる
人材育成は自分は現時点で何ができるかを軸に考えた方がうまくいく。
出来ることを仕事にするとうまく出来るので褒められる→認められるので新たしい仕事が出来て
幅が広がっていく。その時々で自分の役割を果たしていくことで次第にやりたいことが見つかる。
まずは「守離破」の守を徹底的にやらせる中で、「なぜこれをやらなければならないか」という理屈をきちんと説明しながら目の前のことをやらせるのが第一歩。
新入社員は固めて配属してから散らばらせる
一緒に仕事をすることで絆が深まる。固めることが出来なくても入社までに同期のインフォーマルネットワークを築く場を提供する方法もある。
人間関係を偶然に考えるのではなく、特に最初の人間関係や出会いは、人事部がきちんと意図を持って設計することが重要。
辞めた社員、辞めたい社員との付き合い方
自信のある人の方が心は弱い。SOS信号に気がつく必要がある。
帰郷タイプ:良かったころに戻る(週末コーチをするとか)
セルフハンディキャップ:プライドがあるので本気をださない
辞めた人にも敷居の低い会社であることも大切。きちんとした理由での退職者は応援してあげる。
本当に優秀な人であれば転職後にもつながる可能性もあり、場合によっては「戻ってこい」と
声をかけることも出来る。
採用8割場が2割