いつも読んでいる採用系の本に比べ、テストに関する内容が多い少し心理学的な書籍でした。
あまり読むことがないので勉強になりました。
以下備忘録です。
採用のミスマッチは母集団形成に影響を与える
採用でミスマッチを繰り返すことで退職者が増加する。
その結果「あの会社は新人が次々に辞める」「常に募集している」など噂が立つので、
結果的に母集団形成にも影響を及ぼす。
変わりゆく学生と教育
大学入学と同時に社会人基礎力講座などと称して講義の受け方やノートの取り方、果ては友達の作り方まで教えてくれる授業がある。マナー講座が授業として用意され、キャリアセンターでもキャリアカウンセラーのアドバイスを受けて就活も進められる。今や教育はサービス、学生はお客様。
価値感診断系テスト
正解がどちらかではなく、どう言った傾向があるのか?と言うこと。
こうした適性検査は受験者の能力の現状を判定するものではなく、判定結果によって自分の能力の傾向を把握して自己確認をした上で、さらに自分の必要とする能力を伸ばすための「育成」ツールとして非常に有効。
企業におけるキャリアデザイン研修
「あなたの人生はなんのためにあるか?」「あなたはなぜ働くか?」「あなたの夢は何か?」
と言うことを社員に問うのはいいが、その結果「私がやりたいことはこの会社にはない」という気づきを社員に与え優秀な社員が離脱する可能性がある。
個人のアイデンティティの前に組織のアイデンティティ。
「私たちはこのような理念や信念を持って、この社会でこう言う存在になるべく活動をしています。
その組織の中であなたは何をしますか?」
性格検査
質問紙形式
YG法(矢田部ギルフォード性格検査)
12の尺度に分けて性格特性をはじき出し、5つのタイプに分類してデータ化したグラフを作成することにより、その人が持ち合わせている社交性や気分の変調の程度、協調性などを客観的に判断する。
SPI
正式名称をSPI総合検査と言い、リクルートが提供する適性検査で、採用現場で多く用いられている。
試験内容は二つの項目。
①適性テスト:行動的側面、意欲的側面、情緒的側面、ライスケールの4つの観点からの約200問が出題。はいといいえで回答。
②能力テスト:国語と算数のようなもので難問ではないが、時間が足りなくなるので早い段階から問題集などで対策取り組む必要がある。
(質問紙形式のメリットデメリット)
短時間で出来る、検査員の熟練度不要、歪曲が生じやすい
作業法
内田クレペイン精神検査
昔からストレス耐性を確認するツールとして利用されている検査。
単調な作業を長時間に渡って被験者に課すため、ストレスが大きくそのためストレス耐性を確認することができる。ただし作業や時間に対するストレス耐性は多少確認できるが人間関係に対するストレス耐性はこれとは別物になる。
(作業法のメリットデメリット)
作業や時間に対するストレス耐性は多少確認。人間関係は別に考える。
検査員の熟練度が必要。
投影法
バウムテスト
画用紙に鉛筆で実のなる木を書かせ、木の形から受験者の人格や性格を判断する。
木を受験者自身の自己像として捉え、木の各部分の書き方からパーソナリティーを判断する。
木が大きくなった:劣等感や不安の解消。
1枚1枚の葉の書き方:外部を木にする傾向。認められたい欲求。
枝が広く伸びている:周囲との関係を積極的に求める傾向。
ロールシャハテスト
最も有名な投影法の一つ。それぞれ異なる模様が印刷された10枚のカードを受験者に見せて
「何に見えるか」を問い、その答えによって性格を分析する。
一定基準はあるが心理臨床家に解釈の大部分が依存することになる。
(投影法のメリットデメリット)
深層心理の分析に向いており歪曲が生じにくい。反面検査員の熟練が必要になる。
最終面接は主観が入っても良い
特にオーナー企業であれば、社長や役員に可愛がられることは重要。
最後は経営者の主観で決めてもらっても良いと言うくらいの気概を持って最終面接までの段階である程度決着をつけておく。
面接で話を横に持っていかない、縦に持っていく
エントリーシートへの回答をなぞるだけや、一つ一つの質問を確認していくような質問ではなく、
何か一つの項目に対して徹底的に具体的に訊いていく。
つるみにも注目する
その”人となり“は、その人間関係「つるみ」にも反映される。
ハイパフォーマーと言われる人は積極的に変革や新たな挑戦に取り組んでおり、職場や社内だけの人間関係だけでなく幅広く学びを得ようとしている。