新卒入社が好まれる理由
まだ変に染まっていないという理由で、新卒採用からの入社を好む会社も多く存在します。他社で経験を積んだ中途採用よりも新卒採用の方が、企業理念に共感して入社するケースが多いというのが新卒入社組が好まれる理由のようです。
しかし度が過ぎるのはいかがなものなのでしょうか・・・。
社員のほとんどが新卒入社で中途は補充程度で、企業文化が全社員にしっかりと浸透しているそんな会社。
このくだりを聞くと一見非常に良い会社に見えます。特に就活においてこんな会社の紹介を聞くと、離職率も低く非常に風通しが良い会社のように思えます。
社員の殆んどが新卒入社での採用。はたしてこの会社は良い会社なのでしょうか??
新卒採用を積極的に行っている会社は良い会社
前述では、新卒採用が殆んどと極端な例えをしましたが、「新卒採用を積極的にしている会社が良い会社か?」という表現にした場合、その答えは半分正解です。
昔からある日本の大手企業は、まだまだ新卒採用からの入社がほとんどです。年功序列の給与制度があり給与水準も高く、福利厚生も充実しているためまず辞める人が少ないです。大手企業に勤務して会社文句を言っている人も、実際は口だけで実際に転職する人は一握りのはずです。ダラダラ居座る人も多く、仕事内容を「役職」で語る悪しき日本の遺産も存在します。そんな会社を人は普通辞めません。
金看板を背負ってビジネスの社会を練り歩き、早期退職になったとしても退職金は貰える。
何だかんだで勝ち組です。
この法則からすると新卒入社組も多く、在籍割合が高くなります。=そんな会社は良い会社なのです。考えてみれば会社に余力がなければ「育てる」ことが必要な新卒採用を継続することは出来ません。
※ちなみにこの場合の「良い会社」は安定しているという定義です。
新卒入社の割合が高い会社の闇
ここまで書いたように、長く働けるということは辞める理由がないということです。しかし社員の殆どが新卒からの入社という企業には、一方で「闇」も存在します。新卒入社の割合が極端に高い企業のマイナスポイントは一言で言えば、これです。
ダメな部分に気づいていない
新卒から周りも同じ文化で育っているので、間違いや違和感がない(気づかない)のです。ゆでガエルの話に少し似てますが、他社(外部)から見ると不自然なことも、企業文化が骨の髄まで浸透しているのでもはや正論なのです。
例えば電話の出方や時間に対しての考え方、メールの打ち方など、中途入社組がいると外から色々な風が入ってくるのですがそれがないために「自社文化こそが正義」になってしまうのです。そしてそれが正しく美しくことなのです。
若い社長さんの理念に共感した人が集うベンチャー企業。それがもの凄く悪い方向に流れているようなイメージをして下さい。
中途採用組が定着しない
ここまで読んで頂いた方にはこの先の展開が想像出来るのではないでしょうか?
新卒入社組の考え方が強烈に浸透している企業に(中途)入社すると、当然不自然に思うことや改善した方が良いと感じる点がが多々あるはずです。
しかし、そこでもしも貴方が声をあげたとすると・・・・
新卒比率の高い会社の場合、新卒の定着率の高さに比べて、中途入社した社員が定着しないケースがありますが、これがこのパターンです。まさに企業版北朝○です。
以前、非常に新卒採用が上手い企業(情報の打ち出し方などストーリーの組み立て)がありました。しかし比較的長期間にわたって理念を相互理解できる新卒入社組に対して、中途入社組の定着率が低いという課題を抱えておりました。
新卒比率の高さは良いことばかりではない
ということで、ご理解頂けたでしょうか?
「弊社は新卒採用で入社した社員が殆んど辞めずにおり」
「新卒採用がメインで中途は殆んどしていない」
と強調している企業の場合は、ここまで挙げたようなケースがあるかもしれません。
学生時代に転校したことがある人はわかると思いますが、全員がその学校の理念に共感して入学から在籍している学校に転校するようなイメージです。
私の知っている企業でも新卒採用を中心にした採用活動を実施し、中途は殆んどしない会社がありましたが、「新卒入社こそ正義・新卒組こそ選ばれし者」という社員の雰囲気が少なからず存在していました。
中途入社と新卒入社のバランスチェックをするのも、案外就職活動や転職活動の参考になるものです。