前回は東京理科大学の葛飾キャンパスを紹介しましたが、東京理科大学と聞いて、採用を長くやっている人なら、「理科大といえば神楽坂でしょ!」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
実際、神楽坂は100年以上にわたって東京理科大学の歴史を支えてきた、まさに「理科大の原点」ともいえる場所です。
しかし、現在の東京理科大学は、葛飾・神楽坂・野田と3キャンパスを持ち、2025年には薬学部が野田から葛飾へ移転。さらに2026年には神楽坂キャンパスの理学部第一部に科学コミュニケーション学科が新設されるなど、大学全体が大きく変化しています。
そういった背景もあるため、「理系採用で神楽坂キャンパスを訪問するなら、どんな学生をターゲットにすればいいの?」そう思っている採用担当も多いでしょう。
今回はそんな採用担当者に向けて、東京理科大学神楽坂キャンパスを採用担当者の目線から見ていきたいと思います。
Contents
① 東京理科大学ってどんな大学?
東京理科大学は、1881年に創立された「東京物理学講習所」を前身とする、理工系分野を中心とした私立大学です。
「理科大」の愛称で知られ、理系人材を採用する企業にとっては非常に知名度の高い大学の一つ。
理学、工学、薬学、情報、生命科学など、幅広い理系分野をカバーしていることが大きな特徴です。
そして、採用担当者として東京理科大学を見る際に知っておきたいのが、キャンパスによって所属する学部がかなり違うということです。
大きく分けると、
・神楽坂キャンパス
・葛飾キャンパス
・野田キャンパス
の3拠点があります。
前回紹介した葛飾キャンパスは、工学部・先進工学部・薬学部が集まる、いわば「これからの理科大」を象徴するようなキャンパスでした。
それに対して神楽坂キャンパスは、「東京理科大学の原点」という言葉が一番しっくりくるキャンパスです。
② 神楽坂キャンパスの歴史
神楽坂キャンパスの歴史はかなり古く、東京理科大学の前身である東京物理学校が神楽坂へ移転したのは1906年。牛込区神楽町二丁目に土地を購入し、新しい校舎を建設したことから現在の神楽坂キャンパスの歴史が始まります。
つまり、神楽坂は100年以上にわたって東京理科大学の教育を支えてきた場所ということになります。
現在の東京理科大学は葛飾や野田にも大きなキャンパスを持っていますが、「理科大の歴史」という意味ではやはり神楽坂は特別な存在でしょう。
キャンパスには近代科学資料館もあります。
1991年、東京理科大学創立110周年を記念して建設された施設で、東京物理学校時代から引き継がれた資料や蔵書などが展示されています。
しかも建物自体が、1906年に神楽坂に建てられた東京物理学校の木造校舎の外観を復元したもの。
現在の神楽坂キャンパスを歩いていると、都心の大学という印象が強いのですが、こうした施設を見ると、
「ここから東京理科大学の歴史が続いてきたんだな」
ということを感じられるキャンパスです。
③ 神楽坂キャンパスにはどんな学部がある?
現在、神楽坂キャンパスには主に、
・理学部第一部
・理学部第二部
・経営学部
があります。
経営学部は神楽坂校舎から少し離れた富士見校舎が中心となります。
理系採用という視点で特に注目したいのは、やはり理学部第一部です。
理学部第一部
・数学科
・物理学科
・化学科
・応用数学科
・応用化学科
・科学コミュニケーション学科
こうして並べてみると、
数学・物理・化学!
いかにも「理科大」という学科構成です(笑)
前回紹介した葛飾キャンパスには、
機械・電気・電子・情報・化学・材料・生命科学・薬学
など、企業の技術職や研究開発職と結びつきやすい分野が幅広く集まっていました。
一方の神楽坂キャンパスは、
数学・物理・化学といった基礎科学分野が強い。
ここが葛飾キャンパスとの大きな違いです。
化学メーカーや素材メーカー、医薬品メーカーなどで研究開発職を採用している企業なら、化学科・応用化学科は特に注目したいところ。
物理系人材を採用する企業であれば物理学科。
ITやデータ分析などまで含めて考えれば、数学科・応用数学科の学生も採用ターゲットになります。
同じ東京理科大学でも、
「何系の学生を採用したいのか?」
によって訪問するキャンパスを変える必要があることがよく分かります。
④ 神楽坂ならでは!理学部第二部と新設学科
そして神楽坂キャンパスを語るうえで外せないのが、理学部第二部です。
理学部第二部には、
・数学科
・物理学科
・化学科
の3学科があります。
いわゆる夜間学部です。
東京理科大学の前身である東京物理学講習所の時代から続く「学びたい人に理学を学ぶ機会を提供する」という伝統を現在まで受け継いでいる、非常に理科大らしい学部ともいえます。
採用担当者からすると、理学部第一部だけに目が行きがちですが、第二部にも数学・物理・化学を専門的に学んでいる学生がいます。
大学名と学部名だけを見るのではなく、学生がどのような環境で学んできたのかまで見てみると、採用の幅も広がるかもしれません。
そしてもう一つ、現在の神楽坂キャンパスで注目したいのが、2026年4月に理学部第一部へ新設された科学コミュニケーション学科です。
入学定員は80名。
「情報」と「科学コミュニケーション」を軸に、数学、物理、化学、生命科学、データサイエンスなど、理学の基礎を幅広く学ぶ学科です。
専門的な科学の知識だけではなく、
「科学を社会へどう伝えるのか」
という部分まで学ぶのが面白いところ。
企業の研究者も、研究だけしていればいいわけではありません。
自分の研究内容を他部署に説明したり、異なる専門分野の研究者と連携したり、場合によっては顧客へ技術を説明したりすることもあります。
そう考えると、将来的には企業の研究開発職や技術職などでも面白い人材が出てくる学科かもしれません。
2026年に誕生したばかりなので、実際にこの学科の学生が本格的に就職活動を始めるのはまだ先ですが、理系採用担当者として今から覚えておきたい学科です。
⑤ キャリアセンターは?
神楽坂キャンパスのキャリアセンター(就職課)は、9号館1階にあります。
担当しているのは、理学部第一部、理学部第二部、経営学部などの学生。
大学訪問をする採用担当者であれば、まずはここが訪問先になるでしょう。
前回の葛飾キャンパスの記事でも触れましたが、東京理科大学の場合、
「東京理科大学に求人を出したからOK」
ではありません。
どのキャンパスに、どんな学部・学科の学生がいるのか。
ここまで把握してアプローチすることが大切です。
神楽坂キャンパスの場合であれば、
化学・応用化学・物理・数学。
こうした基礎科学系の学生を採用したい企業との相性が良いキャンパスです。
また、理系採用ではキャリアセンターだけでなく、学科や研究室との関係づくりも重要になります。
特に、、、
「化学系の大学院生を採用したい」
「この研究分野の学生に会社を知ってもらいたい」
とターゲットが明確なのであれば、大学全体ではなく、学科・専攻・研究室まで細かく見ていくことをおすすめします。
⑥ 理系採用担当者から見た神楽坂キャンパス
個人的には、神楽坂キャンパスは採用したい学生の専門分野が明確な企業ほど訪問する価値が高いキャンパスだと思います。
前回紹介した葛飾キャンパスは、
機械なら機械工学科。
電気・電子なら電気工学科や電子システム工学科。
ITなら情報工学科。
素材ならマテリアル創成工学科。
医薬・バイオなら薬学部や生命システム工学科。
というように、とにかく採用ターゲットとなる理系分野が広いことが特徴でした。
それに対して神楽坂は、
数学・物理・化学という基礎科学に強い。
特に化学系の研究職採用をしている企業にとっては、かなり重要なキャンパスです。
化学科だけではなく応用化学科もあり、大学院には理学研究科もあります。
研究職採用で修士学生をターゲットにしている企業なら、学部だけではなく大学院まで含めて見ておきたいところです。
そして、神楽坂キャンパスのもう一つの魅力が立地です。
東京のど真ん中にあり、飯田橋駅から徒歩5分。
大学訪問を何校も回る採用担当者からすると、このアクセスの良さはかなりありがたい(笑)
東京理科大学を新規開拓するのであれば、学生数や分野の広さでは葛飾キャンパス。
一方、「化学系を採りたい」・「物理系を採りたい」・「基礎科学系の大学院生に会いたい」
という企業なら、神楽坂キャンパスから訪問してみてもいいと思います。
⑦ 神楽坂キャンパスへのアクセス
神楽坂キャンパスの所在地は、
東京都新宿区神楽坂1-3
です。
最寄り駅は飯田橋駅。
JR総武線のほか、
・東京メトロ東西線
・東京メトロ有楽町線
・東京メトロ南北線
・都営大江戸線
が利用できます。
飯田橋駅からキャンパスまでは徒歩約5分。
アクセスに関しては、東京理科大学の3キャンパスの中でも文句なしでしょう。
ただし、初めて神楽坂キャンパスを訪問すると、
「あれ?大学の正門はどこ?」
となるかもしれません(笑)
前回紹介した葛飾キャンパスのように、広い敷地の中に講義棟や研究棟が並んでいるタイプの大学ではありません。
神楽坂の街の中に1号館、2号館、3号館……と校舎が点在している、典型的な都市型キャンパスです。
しかも「神楽坂キャンパス」といいながら、最寄り駅は飯田橋。
初めて行くと、この辺りも少し不思議に感じるかもしれません。
一方で周辺には飲食店も多く、少し歩けば神楽坂の街並み。
大学訪問が終わった後にランチをする場所には困りません(笑)
さらに少し離れた富士見校舎には経営学部があります。
2016年に富士見校舎が加わり、東京理科大学は神楽坂キャンパスを、理学部と科学的アプローチで学ぶ経営学部からなる**「サイエンスキャンパス」**として整備しています。
葛飾キャンパスとはまったく違う、東京の都心ならではの大学キャンパスです。
関東で大学訪問をされている方に説明すると、神奈川大学の白楽キャンパスを、もっと街中に持ってきたような感じです。
⑧ まとめ|「理科大といえば神楽坂」は今も健在?
今回は東京理科大学神楽坂キャンパスを紹介しました。
東京理科大学と聞くと、採用を長くやっている人ほど、
「理科大=神楽坂」
というイメージが強いかもしれません。
1906年に東京物理学校が神楽坂へ移転して以来、100年以上にわたって東京理科大学の歴史を支えてきた場所ですから、そのイメージも間違いではありません。
ただ、現在の東京理科大学はかなり変わっています。
葛飾キャンパスには工学部・先進工学部・薬学部が集まり、メーカーや技術系企業が採用したい理系分野を幅広くカバー。
野田キャンパスには創域理工学部などがあり、それぞれのキャンパスの役割が明確になっています。
その中で神楽坂キャンパスが持っている最大の特徴は、
数学・物理・化学を中心とした基礎科学の強さ。
そして理学部第二部をはじめ、東京理科大学の歴史と伝統を現在まで受け継いでいることです。
さらに2026年には科学コミュニケーション学科が新設されました。
つまり神楽坂キャンパスは、
「昔からの理科大」でありながら、「新しい理科大」も始まっているキャンパス。
そんな位置づけなのかもしれません。
採用担当者として考えるなら、
幅広い理系学生を採用したいのであれば葛飾キャンパス。
数学・物理・化学など基礎科学系の学生を採用したいのであれば神楽坂キャンパス。
そんな使い分けをしてみてもいいと思います。
そして東京理科大学には、もう一つ忘れてはいけないキャンパスがあります。
野田キャンパスです。
葛飾、神楽坂と紹介した以上、ここまで来たら野田も行くしかありません(笑)
東京理科大学シリーズ第3弾として、次回は野田キャンパスについても紹介したいと思います。
今回ご紹介させて頂いた神楽坂キャンパス。
飯田橋駅から徒歩5分とアクセスも抜群なので、数学・物理・化学などの学生を採用している企業の方は、一度訪問してみてはいかがでしょうか。

