採用の裏側

なぜ企業は50代を採用しないのか?

50代をなぜ採用しないのか?

転職が当たり前の時代になってきたとはいえ、まだまだ「中高年の転職」はハードルが高く、有効求人倍率も20代に比べて約半分くらいの数字になっています(1.5倍に対して0.7とか)。

「若いうちは採用されやすく、年齢が高くなると採用されにくい。」

日本社会の中では常識として考えられており、大きく疑問を持つ方も少ないでしょう。

しかし、なぜ企業は中高年の採用を積極的に行わないのでしょうか?

何となく理解しているようで、当たり前すぎてそれほど深く考えてこなかった問題を、今回のテーマにしたいと思います。

会社運営のやりやすさ

まず一番の理由はこれになると思います。

幅広い意味合いのタイトルではありますが、要は「仕事を進めるうえでのやりやすさ」です。

仕事を教える中で、年齢が上の人に対して指導したり指示したりするのに、気が引けたり遠慮が出る人は多いと思いますし、取引先の担当者やお客さんの立場からしても、あまりにも高齢(目上)な方が窓口だとやりにくさを感じることがあるかもしれません。

以前に比べ年功序列の考え方も薄くなってきたとはいえ、まだまだ「年齢が上=上司・偉い」という考え方は主流になっています。

また、若い人が多い職場の場合、恐らく仕事の中に「ノリ的」な要素もあると思いますので、業務の中でけでなく、「ジェネレーションギャップ」も生まれてくるはずで、既存社員の気配りが出来れば出来るほど、余計な部分で気を使うことが増えてしまうかもしれません。

経験が邪魔をする

「どうせこれやっても上手くいかない」

若い頃であれば素直に受け入れることが出来たことも、人生経験が長くなる中で素直に受け止められなくなることがあります。

年齢を重ねると、人はどうしても素直さを失う傾向が見えます。

新たな職場に入り、これから仕事を覚えていかなければならない中で、教えられたことに口ごたえされたら、、、

中途採用で「同業や同職種での経験者を好まない」というケースが時々ありますが、同じ理由です。

前職のやり方や進め方を持って来られるのを嫌います。

賃金が合わない

子育てや住宅ローンなどまだまだ現役世代だった場合、若手の給与基準だと物理的に「安く」なってしまい、希望する金額と大きく乖離することが多いです。

中には、賃金に拘らないという方もいらっしゃるとは思いますが、やはり年齢が上になるほど、これまでもらっていた最高額を経験した「金額感」が高くなので、額面になったタイミングで気持ちが変わることもあるようです。

体力的に無理が効かない

年齢が高くなればなるほど健康面が優れなくなったりと、体力的に若い人に比べて無理が出来ない(するとダメな)状態になることがあります。

仕事量が多く、〆切に間に合わない・・・若い頃であれば多少無理は出来てけど。という場面や、実際に体調面に不安があって仕事量が減ったりと、全員に共通するわけではないと思いますが、やはり年齢による体力面の差は出てくるはずです。

年齢構成

昨今後継者不足が叫ばれていますが、どんなに仕事の質が高く、お客さんから求められたとしても、若い力がなければ会社は存続していくことが出来ません。

単純に、定年までの働くことが出来る時間を換算した際、若い人の方が長くなるわけで、労働力という部分では先への投資が出来るわけです(それに伴う能力は別として)。

これから先の会社運営を考えた時、年齢バランスは非常に重要になってきます。

冒頭でも書いたように若い人の方が転職はしやすいので、中高年に比べて離職する可能生が高くなります。この先の離職も考えた時、若い世代を採用していく方が調整しやすい部分もあるのかと思います。

ちなみに新卒採用を行っている企業は、定期的に若い力を入れていくことで、会社の新陳代謝も行っています。

採用側が何も考えていない

最後は、「若いうちは採用されやすく年齢が高くなると採用されにくい。」という、今回のテーマの理由ではなく、課題についての話になります。

「若い年齢層を採用したい」という企業の求人情報(特に仕事内容)を確認すると、案外「若い」必要性がないものが多いです(20代の若者である必要)。

中には年配の人の方がいいんじゃないか?ということもあります。

年齢を制限する採用の場合、「長期勤務によるキャリア形成を図る」という記載を良く見かけますが、結局のところ、「何となく若いから採用」だったり、「やりやすいから採用」という理由であって、それほどしっかりとした理由がないのが実情です。

古い会社ほど、在籍年数⁼貢献度という考え方がまだまだありますので、経験豊富な人材に途中から加入されると、環境が変わってしまうかもしれない不安感もあるのかもしれません。

記憶は曖昧ですが、2007年くらいから求人に募集年齢の記載が禁止になったと思います。

表向きに「幅広い雇用の促進」をさせているように胡麻化していますが、余計な業務量と期待値を作っただけで誰も得をしていません。

そろそろこの「求人年齢」は嘘を記載する規制を変えた方が良いのではないでしょうか?

最後は話が逸れてしまいましたが、50代が採用されない理由をご理解頂けたでしょうか?

そこには様々な理由があり、そもそもその求人は中高年を採用するつもりのない求人なのです。

 

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