内定辞退は日常茶飯事
採用活動をしている中で学生や求職者から度々される質問として、「内定辞退」に関する質問があります。
特に最近は「売り手市場」ということもあり複数内定を取得するケースも多く、求職者自らが「最終決断」をしなければならない「内定辞退」という場面もあり、「内定辞退」というキーワードが若干トレンド化しているような印象さえ受けます。
複数内定の取得、そして内定辞退は新卒の就活・中途での転職、当然どちらにもあるのですが、今回は特に新卒での「内定辞退」に絞ってお話しをしていきたいと思います。
内定辞退はメールでいいのか?
内定辞退に関する質問で非常に多いのが、
「内定辞退はメールでいいのか?電話した方がいいのか?」という質問です。
この質問「どちらでもいい」というのが結論ですが、逆に思うのが「どちらの方が良いと思うか?」です。
転職活動に比べて新卒での就活は期間も長いため、採用担当者や相手の企業とのやり取りの機会も多くなります。その中で割いてもらった時間ややり取りを考えた時、「貴方はどうした方がいいのか?」というのが個人的な感想です。
今は「内定辞退 メール 文例」「内定辞退 メール 文章」などと検索すればいくらでも事例は拾えるので、簡単にメールは送れます。メールで構わないと思うのであればそれをコピペして送ったとしても、誰も文句は言いません。
また、電話で伝えようと思った際も「内定辞退 電話 かけ方」などと検索すれば、いくらでも事例は見つかるのでそれを活用してもよいかもしれません。
ただし採用担当者側の本音で言えば、淀みなく綺麗な断り文句よりも、たどたどしいけど誠実に対応している方が、最後まで良い印象で終わります。
内定辞退はいいのか?
内定を辞退することに大きな罪悪感を感じている誠実な学生さんを時々見かけるのですが、
結論「内定辞退は権利なので、何の問題もありません」
本当に心から申し訳なさそうに謝罪する学生、非常に誠実さを感じるのですが、企業側も「学生を比べ、選択を繰り返し」採用活動を行っていますので、当然受ける側も複数選考を同時に進めるのは当たり前です。
むしろ「ここしか受けてません!」というのは「マルチタスクで動けない」「リスクマネジメント出来ない」という評価にさえ繋がります。
「内定辞退をして良いのか?」何日も悩んでいるのであれば、はっきりと本心を伝えることの方が、大切で誠実な行動になりますので、すぐに行動を起こして下さい。
「内定辞退をしたらお茶をかけられた」「内定辞退を電話で伝えたら本社に呼び出された」などという就活都市伝説が昔からありますが、まず聞いたことがありませんので安心して下さい。
一内定者を本社に呼び出し説教をする時間があるほど、採用担当者は暇ではありません。
内定承諾後の辞退はいいの?
ここまでは「内定辞退」の話でしたが、次の話は「内定承諾後辞退」です。
果たして内定を一度承諾した後に辞退することは許されるのか?
承諾書を提出した後の辞退のため、すでに契約を締結しているような感じを受けますが、こちらも「問題ありません」。
ただし「承諾後辞退」というのは、表向きで問題ないだけであり、裏では少々事情が異なります。
というのも、一度承諾をしているというのは、企業側においても次年度の入社者としてカウントされており、迷惑の掛かる度合いが単なる「内定辞退」とは異なってくるからです。
その研究室やゼミは把握されているので、次年度以降の就職に影響を及ぼす可能性もあります(表向きにはないと言われますがあります)。
学科の推薦を断るようなイメージと言えば分かりやすいでしょうか?
また業界や職種が狭い場合、後々影響を及ぼすこともあります。
採用担当者間での情報網や、業界内での繋がりは意外にあるものです。深くは書けないですが、転職などその後に影響を及ぼす可能性も出てきます。
「内定辞退」は個人的な事情で重く考える必要はないですが、万が一「承諾後辞退」になる場合は、より一層心遣いや気遣いを持った立ち回りを心掛けましょう。企業が内定辞退者に対して丁寧に対応するのも、将来的な企業イメージに繋がるからこそ行っているのです。
もし周りに「承諾後辞退でも問題ない」とアドバイスをする人がいたら、実情を把握していない人ですので、鵜呑みにせずにしっかりとした行動をして下さい。本当に危険です。
結局のところその人の能力
今回のテーマ「内定辞退」ですが、しっかりと対応出来ていない学生について結論を言ってしまえば、「内定辞退」を直接しっかりと伝えることが出来ない程度の器や人材ということになってしまいます。
これから先、ビジネスにおいてプレッシャーがかかる場面や、誠心誠意をもって対応しなければいけない場面は、それこそいくらでも出てきます。
そのたびにメール1通で済ませたり、簡単な挨拶程度で済ませるのか?ということに繋がってきます。
内定を辞退する程度のことが、一人前に対応出来ないとしたらこの先思いやられます。専門職であったとしても、一社会人としてすでに終わっています。
もし「実際に入社する会社ではしっかりとやる」と思っているようであればさらに思いやられます。今出来ない事はどこでも出来ませんし、人間一事が万事です。
就活は社会人への助走期間になりますが、内定辞退においての対応もその一つだと思い、しっかりと勉強をしてください。