どこの部署を訪問すればいいのか?
新卒採用において学部を絞った「理系採用」、もっと細かく言えば「情報系」「建築系」など学科を限定した採用、または専攻を特化した採用を行っている企業の中には、求人票には「文理不問」「理系限定」などと記載しているものの、学生に情報はしっかりと届いているのか?と不安に思っていたり、学科限定採用でもキャリアセンターに行けばいいのか?と疑問に思っている採用担当の方もいらっしゃると思います。
学部や学科を限定した採用を行っている企業の場合、大学訪問時はどこの部署を訪問すれば良いのでしょうか?
大学によって、就職支援の組織体制は様々なので一概には言えないのですが、極端に結論を申し上げた場合、「キャリアセンターと学科の両方を訪問する」のがベストです。
学部や学科を限定したり特化した採用を行っている企業は、キャリアセンターの訪問をされている場合は、自社で採用対象としている学生が所属する学部や学科を追加して訪問して下さい。
ちなみに「求人票を送付する」場合も同様に、キャリアセンターと学科の両方に送るのが良いと思われます。
学部や学科における訪問先
キャリアセンターとは別に「採用対象としている学生が所属する学部や学科」を訪問して下さいと言われたものの、では実際にどこを訪問すればいいのか?
別の記事「大学訪問の行き先」でも紹介したのですが、特に理系学科には各学科毎に「就職幹事(担当)」と呼ばれる、学科の就職窓口があります(※大学によって呼称は変わります)ので、こちらを訪問して下さい(求人票を送付する場合もこちらです)。
就職幹事の先生に確認を取ればわかりますが、毎年就職幹事の先生には、新卒採用を行っている企業から大量の求人票や採用情報が届いています。
そのため大学訪問に慣れている企業は、キャリアセンターだけでなく学科に直接アプローチをしているわけです。
また、その他のケースであまり数は多くないのですが、学部ごとに就職窓口を設けている大学もあります。この場合は、学部に届いた求人内容を確認して、採用対象となる学科ごとに振り分けているケースが多く、就職幹事のように、持ちまわりでの役職でなく、キャリアセンターのような部署であることが殆んどです。
なかなかに複雑な印象を受けるかもしれませんが、どこにアプローチすればいいか分からない場合はキャリアセンターに聞けば教えてくれますので、遠慮なく質問してみて下さい。
単独学部でキャンパスが分かれている大学では、キャリアセンターよりも少し規模を縮小した学部窓口で対応している大学もあります。
キャリアセンターと学科の関係性
キャリアセンターと就職幹事の話をすると、中には「それぞれの関係性ってどうなのか?」「役割分担はどうなっているのか?」などと疑問を持つ方もいらっしゃいますが、私が接してきた中での印象のみで言えば「別々で考えてよい」と思っています。
キャリアセンターの中には「特定の学部や学科があれば、そちらにも広報しておきます」と配慮してくれるケースもありますが、「キャリアセンターでは全体への広報をするので、特定の学科があるのであれば、就職幹事に話をして頂いた方が良いです」と言われることが多い気がします。
中には、何となくお互い仲が悪いような印象を持たれるかもしれませんが、決してそうではなく、以前も書いたように、就職幹事は就職専門の人ではないので(キャリアセンターも大学内での人事異動なので専門家ではないですが)、キャリアセンターと積極的に接点を持っている方が殆んどいないと言うだけです。
就職幹事の中には、長くその役職を勤めているため、就職市場に詳しい先生もいらっしゃいますが、それはごく一部であって、キャリアセンターのイベントスケジュールや就活支援の状況、もっと言えば就職マーケットを全く把握していない方の方が多くを占めています。お互いの関係性が云々というよりも、お互いの温度差が出てしまうのは仕方ないのかもしれません。
学生はどちらを優先するのか?
キャリアセンターと就職幹事の両方に採用情報を送るのは理解したものの、学生側はどちらの情報を見るのでしょうか?
学生が、キャリアセンターを頼るのか?自分の学科の就職幹事を頼るのか?これは正直学生次第になってきます。
極論になりますが、昔に比べて昨今は情報収集は自分で行えるので、大学に頼らなくても企業探しは出来ます。しかし毎年大学関係から紹介されて企業を知ったという学生は一定数存在します。
その内訳を聞いてみると、教授・先輩・キャリアセンター・ゼミなど様々な箇所に及んでいます。学生が就職の際「大学のどこを利用するのか?」というのは個々で異なっていますので、我々としては少しでも可能性を広げるために、学生が接点を持ちそうな箇所には積極的にアプローチを掛けていくべきです。
学部や学科を限定したり特化して採用している場合、大学訪問をする際は、ぜひキャリアセンターと学部や学科の就職幹事両方にアプローチをしてみてください。
温度差や温度感を感じるだけでも、次の一手を考える参考になります。