調べたこと

社会保険・労働保険・年末控除

社会保険と労働保険

健康保険・厚生年金

健康保険
11.47%(協会けんぽ)その他は公表せず
健康保険組合=大企業
協会けんぽ=中小企業
共済組合=公務員 
国民健康保険=一般人
後期高齢者医療保険:75歳以上


厚生年金
(国民年金の上に載せられる)
18.3%

(加入条件)
1ヶ月、一週間の所定労働時間が正社員の4分の3以上
※501名以上は20時間、500名以下も条件付きで可

健康保険と厚生年金を合わせて「社会保険」と呼ぶ。
年金事務所で申請する。

(算定基礎届)
算定基礎届によって見直された「標準報酬月額」は、原則9月から翌年8月まで適用。「標準報酬月額」は7月より前3ヶ月分、4月・5月・6月に支払われた報酬をもとに算出。7/1~7/10までに年金事務所に提出 。

※途中で入社した社員に関しては、最初の給与が確定した段階で申請する。

(算定基礎届提出対象者)
7月1日時点での社会保険の被保険者。長期欠勤中や休職中の人、育児休業・介護休業中の人も含む。
70歳以上の健康保険被保険者は厚生年金の被保険者ではないが、算定基礎届の提出対象者にはなる。
対象者:7/1時点で社会保険対象者

(非対象者)
6月30日までに退職した従業員
6月1日以降に被保険者となった従業員
資格取得時の決定によって翌年8月までの標準報酬月額が決定しているため、対象外となります。
7月改定の月額変更届を提出する従業員
4月〜6月に支払われた報酬の平均と、現在の標準報酬月額に大きな差がある場合、7月に月額変更届の提出による随時改定を行うので算定基礎届の提出は必要なし。
8月、9月に随時改定が予定されている従業員
随時改定が優先されるため「月額変更届」の提出が必要。

(提出書類)
被保険者報酬月額算定基礎届(70 歳以上被用者算定基礎届)
被保険者報酬月額算定基礎届 総括表
(7月改定の月額変更届を提出する被保険者がいる場合)被保険者報酬月額変更届

被保険者報酬月額算定基礎届 総括表

(月額変更届が必要なケース)
改定後の3ヶ月の平均をとる。

(賞与支給)
年3回以下の賞与の支給は、支給後5日以内に賞与基礎届を提出する。

(対象になる報酬)
基本給(月給・週給・日給など)、能率給、奨励給、役付手当、職階手当、特別勤務手当、勤務地手当、物価手当、日直手当、宿直手当、家族手当、扶養手当、休職手当、通勤手当、住宅手当、別居手当、早出残業手当、継続支給する見舞金、年4回以上の賞与など


雇用保険

失業時給与の50-80%を給付
一般企業0.009%、会社0.006%、個人0.003%
事業ごとに利率が分かれており、
農林水産・清酒0.011%、建築0.012%

(加入条件)
20時間/週以上勤務
31日以上の勤務(雇用見込み)

(支払条件)
2年間で12ヶ月支払い(会社都合の場合1年間半年)
自己都合
1年〜10年未満:90日
10年〜20年:120日
20年〜:150日
会社都合
1年〜5年:45歳未満90日
その他:120日〜330日
ハローワークで加入

※月14日未満、週20時間未満はアルバイトOK
待機期間中7日はNG
(1日4時間未満、週20時間の契約はOK)

支払い金額:前年賃金(4/1-3/31)×利率 ※1/2~2倍までの金額であれば。
納付時期:毎年6/1-7/10までに支払

(分割支払い)
40万円を越える場合は、3回に分割して支払いが可能。
①~7/10 ② ~ 10/31 ③ ~ 1/31

労災保険

労災保険の仕組み

労働者が労働災害による怪我や病気が原因で休んだり、障害を負ったり死亡したりした場合に、
被災労働者や遺族に必要な給付を行う制度。
業務災害通勤災害がある。

対象者:働いて賃金を受ける全ての労働者が対象。
※1日限りのアルバイト、不法就労の外国人なども対象になる。
加入手続き:事業所や工場、支社ごとに行う。
料率:事業所が加入0.35%

労災保険主な給付

医療機関で治療を受けた:療養給付
療養のため休業した:休業給付、休業特別支給金
療養開始後1年半経っても治癒しない場合:傷病年金、傷病一時金
傷病治癒後、障害が残った:障害給付
傷病・障害年金受給者に介護が必要になった:介護給付
死亡した:遺族給付、葬祭給付

特別加入制度と要件

会社の事業主や役員、家族従業員は原則として労災保険の適用対象外。
名前だけの役員、事業主と同居している家族従業員などは、労働者と見なされ労災保険に加入可能。

(特別加入制度への加入要件)
①業種別に一定人数以下の一般従業員を常時雇用している
②雇用している一般従業員と雇用関係が成立している
③労働保険の事務を労働保険事務組合に委託している
(40万以上の納付額か③の理由で3回に分けて納付することが可能)

業務災害

仕事が原因で怪我や病気をすること(労働者に過失があっても労災になる)。
反対に事業所内であっても、私的な行為が原因だった場合は業務災害にはならない。
会社に業務災害かどうかを判断する権限はなく、最終的な判断は労基署が行う。

(判断基準)
業務遂行性:業務内(会社の支配・管理下にあるか)かどうか
業務起因性:業務に関連しているか

通勤災害

通勤中の事故などで怪我や病気、障害、死亡に至った場合に補償される。
※中断と逸脱は通勤ではなくなる。
中断:通勤経路上で通勤とは関係のない行為をすること
逸脱:就業や通勤とは関係ない目的で経路を逸れること

(判断基準)
①就業に関しているか?
・業務につくため、または業務を終えたことによる行為であること。
※決められた時刻でなくても良い。
早出・遅刻・早退時の通勤、休憩後自宅で昼食をとり就業のために事業所へ戻る途中

②住宅と就業場所との間で起きたか?
・住居「自宅」
単身赴任の場合は、「赴任先の住居」と「帰省先住居」
親元から離れて暮らしている場合は「親の家」と「自宅」
・就業場所
「勤務している事業所」「事業所以外の特定担当区域」

③合理的な経路と方法で往復しているか?
・会社に申告していない手段でも良い。
会社に内緒でバイク通勤をしていた途中など。
・日常生活上必要な行為であれば良い。
日用品の購入、不在者投票、病院での治療、家族の介護、保育など

以上の条件が揃うことで通勤災害と認定される。

労災補償(療養補償給付)

労災保険の補償の中でよく使われるのが、病院での治療時に給付される療養給付
療養給付の手続きは、労災指定病院か?労災指定外病院か?で変わる。

①労災指定病院のケース

・受診時に労災であることを告げる
→「療養給付たる療養の給付請求書」を用意している
→窓口に提出
→自己負担0円

・受診時に労災であることを告げる
→「療養給付たる療養の給付請求書」を用意していない
→治療額を全額立て替える
→後日「療養給付たる療養の給付請求書」を病院に提出
→治療額全額返金

労災指定外病院のケース

・受診時に労災であることを告げる
→治療額を全額立て替える
→後日「療養給付たる療養の給付請求書」を労働基準監督署に提出
→治療額全額返金

休業給付と死傷病報告について

従業員が労災で働けなくなり休業を余儀なくされた場合、労災保険から休業補償として、休業給付と
休業特別支給金が支給される。給付の条件は下記3点。

(給付条件)
①業務上または通勤上中の怪我や病気により働けないこと
②労働できず休業が4日以上に及ぶこと
③賃金の支払いがないこと

休業給付の仕組みについて

給付が受けられるのは4日目からで、1日目〜3日目の休業補償は会社が支払わなければならない。
ただし通勤災害の場合、会社に休業補償の支払い義務はない

(支給される額)
休業給付:給付基礎日額×60%×休業日数
休業特別支給金:給付基礎日額×20%×休業日数

(労働者死傷病報告の提出)
休業が4日未満:4半期毎にまとめ(1-3、4-6、7-9、10-12)「労働者死傷病報告」を提出。
4日以上または死亡:発生後速やかに「労働者死傷病報告」を提出。
※提出先は共に労働基準監督署

(解雇について)
業務上の労災による休業期間と休業明けの30日間は、会社から従業員を解雇することはできない。
ただし、療養3年を経過して労災の傷病年金を受け取ることになったり、会社が平均賃金の1200日打切補償を支払った場合は解雇することができる。

車両事故のリスク管理

従業員が車で営業回りなどをしていて交通事故にあい、怪我や病気、障害、脂肪などを負った場合、
それが従業員の過失かどうかに関わらず、業務上の災害として労災保険が適用される。
マイカー通勤で事故にあってもそれが合理的な経路であれば通勤災害として労災保険が適用される。

(労災の範囲)
従業員に過失があり、相手や相手の車に怪我や損害を与えた場合は従業員だけでなく、会社も損害賠償の責任を負うこともある。※労災保険は従業員の給付しか補償されない。
社用車は任意保険に加入し、マイカーは許可制にしてマイカー通勤の規程を整備した方が良い。

(マイカー通勤管理規程に盛り込む主な事項)
対象となる従業員、許可制にすること、許可に必要な書類、任意保険加入の義務付け
許可の有効期間と更新、許可を取り消す場合、違反した場合の制裁

会社の安全配慮義務

会社は雇用する従業員に対して、心身ともに安全で健康な状態で仕事ができるための適切な配慮をするという安全配慮義務を負っており、慰謝料や逸失利益を請求される可能性もある。

(脳・心臓疾患の労災認定)
脳・心臓疾患は、残業時間が長いなどの過重が要因となって発症することがわかっているので、その発症と業務との間に因果関係があると認定されると、業務上の疾病として労災保険の給付対象になる。
厚生労働省は「労災認定基準」を作成し労災となるガイドラインを示している。

過労死ライン:発症1ヶ月前に約100時間または発症2-6ヶ月間で1ヶ月あたり約80時間

(メンタルヘルス不調の労災認定)
長時間労働、劣悪な職場環境などで溜まった心身のストレスはうつ病などの深刻なメンタルヘルス不調(精神障害)を引き起こすことがあり、過労自殺を図る殆どの人がメンタルヘルス不調を患っている。
メンタルヘルスの不調に関しても厚生労働省は「労災認定基準」を作成し労災となるガイドラインを示している。
●メンタルヘルス不調が労災と判断される流れ
①認定基準の対象となる精神病を発病している
※うつ病、急性ストレス反応、適応障害など。(認知症やアルコールや薬物による障害は除外)
②発病前おおむね6ヶ月の間に業務による強度の心理的負担が認められる。
③発病について業務以外の強度の心理的負荷や個人の要因が認められない。
↓ ↓
労災認定

健康診断とストレスチェック制度

(健康診断と面接指導)
会社は年に1回(深夜行など特定の業務は半年に1回)、定期健康診断を行う義務がある。
時間外労働が1ヶ月あたり100時間を超える従業員は本人からの申し出があった場合、医師による
面接指導を行わなければならない。健康診断結果は会社に報告し、5年間は保管しなければならない。

(ストレスチェック制度)
従業員が50名以上いる事業所では、年に1回のストレスチェックを行うことが義務付けられている。
ストレスチェックは簡易な質問票に記入することで自身のストレス状態を知ることができる検査。
(予防・早期発見・サポートの4大対策)
①情報提供と教育研修:メンタルヘルス不調を知り、予防法を伝える。
②職場環境の把握と改善:職場レベルでメンタルヘルス不調の要因を取り除く。
③不調への気づきと対応:メンタルヘルス不調を早い段階で発見し、速やかに適切な対応をする。
④職場復帰支援:職場復帰支援と再発防止に取り組む。

(対象者)
①正社員
②1年以上雇用されている(予定されている)1週間の所定労働時間が正社員の4分3以上ある者
※結果が会社には通知されないことがストレス状況と健康診断との違い。

衛生推進者、衛生管理者など

定期健康診断やストレスチェック制度の実施は安全管理体制の一環であり、職場の安全管理体制の整備の担当者として、衛生推進者(10人〜49人)、50人以上の職場の場合は衛生管理者と産業医を選任し労働基準監督署に届ける。

ハラスメントの防止体制

近年は長時間労働ばかりでなく、セクハラやパワハラなどの職場のハラスメントも労災の大きなリスクになっているので、適切に対処するために研修や相談窓口を外部に委託するのもおすすめ。またハラスメント対策を就業規則に記載して周知するのも大切。

●就業規則の整備
・セクハラやパワハラに対する会社の方針を定める。
・相談窓口の設置など制度を明記。
・ハラスメントが確認された時の懲戒処分などを明記。

●教育・講習
・どんなことがセクハラやパワハラにあたるのか従業員に認識してもらう。
・管理職に対しても、部下への接し方などについて研修を行う。

●相談窓口の設置・対処
・会社内部や外部に相談窓口を設置する。
・相談者のプライバシーに配慮し、不利益を被らないようにする。
・相談者のメンタルヘルス不調などにも対処する。
・事実確認を行う。
・必要に応じて配置転換などを行う。
・事実関係があれば加害者に謝罪させ、懲戒処分を行う。
・再発防止対策を講じる。

介護保険

(40歳〜64歳まで)
平均5500円/月 ※自治体による
第一号被保険者(65歳以上)が受給対象1〜3割負担

 

年末調整

本来徴収すべき所得税の一年間の総額を再計算し、源泉徴収した合計額とあらためて比較することで過不足金額を調整することが年末調整。仮に余分に源泉徴収をしていた場合は、その差額は従業員に還付されるという仕組み。
源泉徴収:給与支払い時、従業員の給与や賞与から所得税を徴収することが源泉徴収

なぜ年末調整が必要か

所得税の額は所得に対して課税されため、従業員の給与が変更され、所得が少なくなればその分
所得税も少なくなる。また、所得金額からは生命保険料を支払ったり、扶養家族がいたりする場合には控除できる金額があり、所得金額から控除される制度を使用できる。
そのため、最終的に計算した所得税額と、毎月給与から控除された所得税額を比較すると所得税の額にズレが生じることになるので年末調整を行い、この税額のズレを調整する必要があるのです。

年末控除

103万円の壁
65万円(給与所得控除)+38万円(基礎控除)
労働してと控除される最低額。
配偶者控除:103万円以下は養う側も38万円控除
配偶者特別控除:103万円〜141万円
(改正平成30年)
配偶者控除:①103万→150万②夫の収入が900万以上で控除額変更
配偶者特別控除:①141万→201万6000円へ

養う側の控除であって103万円以上には所得税はかかる。

(社会保険加入条件拡大)※以下の条件を全て満たす場合
①1ヶ月の所定内賃金88000円以上
②一週間あたりの所定労働時間20時間以上
③雇用見込み1年以上
④学生ではない者
⑤501名以上の企業に勤務。それ以下は労使で合意。

(個人年金関連)

確定給付企業年金(従来の掛け金)
企業が払う掛金を金融機関が運用。退職金制度、受取額が決まっている。

確定拠出年金
企業や加入者が毎月一定額の掛金を拠出して自身で運用。

iDeco(イデコ)
自分で掛金を決める。確定申告が義務。

企業DC
企業が決まったルールでお金を拠出。損金で処理。