大学訪問

コロナ禍でキャリアセンターの学生支援はどう変化したか?

コロナ禍でキャリアセンターの学生支援どのように変化したか?

令和2年初旬、突然のコロナ禍により社会が急激に変化しましたが、それは学生達への就活支援の現場でも同じです。

今回は、大学訪問をする中で出会った、学内のカウンセラーの方に記事をご依頼し、コロナ禍によって変化した学生の状況や、学生達への就職支援の現場などの変化についてお書き頂きました。

コロナによる学内での就職支援の変化

2020年2月、テレビで新型コロナウィルスの感染者が日々増加する報道が流れる中、これまで経験したことないことの連続で、文字通り大学内はてんやわんやの騒ぎになりました。

万が一学内でクラスターを発生させてしまった場合、マスコミが押し寄せ、結果的に大学名が公表されてしまうことになります。

そうなれば一気に信用を失い、次年度以降の受検や入学者の数にも大きく関わってくるため、大学にしてみれば、一年で一番大きな掻き入れ時に大打撃になりかねません。

キャリアセンターはというと、タイミング的にも2月末で就活がいよいよ本番!という時期だったので、合同企業説明会の参加企業と参加日程、当日のタイムテーブルなど詳細もすでに確定しており、その後に個別で説明会の日程調整をしていた企業もありました。

しかし先程書いたような事情もあり、合同企業説明会はもちろん、学内企業説明会も次々と取りやめが発表されました!

その後も学生からは、「コロナと大騒ぎになっており、会社説明会に行くことさえも怖くなりどうしたらいいか?」「企業から予定していたタイミングで、選考の連絡が来なくて困っている」など相談が来るなか、一向に見通しの立たない状況の中で、キャリアセンターの職員達も何とも言えぬ思いで過ごしていました。

これまでも、景況感によって起こる就職市場の変化で、年度ごとに「買い手市場」・「売り手市場」と傾向が分かれることはあったと思いますが、コロナウィルスによって変化した学生達の就活は、目に見えぬ不思議な物であり、これまで経験したことのない状況を生み出しました。

コロナ禍で学内がどう変わったのか?

ここからは、就活に関わる三者「学生」「大学(キャリアセンター)」「企業」それぞれが、今回のコロナによってどんな影響を受けたのか?というのを見ていきたいと思います。

学生の動きについて

採用活動をオンライン化することに時間がかかってしまったり、コロナ禍での活動に制限を設けたりなど、特に春先に採用活動が止まってしまう企業が多くありました。

そのため、3年生夏のインターンシップから積極的に動いていた学生に関しては、企業の内定に幸い間に合ったのですが、3月から本格的に動こうと思っていた学生は企業の採用活動がストップしてしまったことにより、まるで動けなくなってしまい、例年であれば学生から内定報告が次々と来る時期にも、まだ選考に関する相談なども多く、例年同時期に比べて活動のスピードが一段階~二段階遅かった印象を受けました。

キャリアセンターのフォローについて

キャリアセンターの就職支援の手法も、授業のオンライン化と共に、例年は対面で行っていた「履歴書添削」や「面接練習」をZoom等を使用してオンラインで実施するようにに切り替えました。

また、就職ガイダンスに関しても、基本的にはライブ配信や、オンデマンド配信を使いオンライン上で行っています。

当初懸念されていたのは、学生側のインターネット環境でしたが、授業のオンライン化に対応していく中で、これらの問題はほぼクリアされました(さすがに若い世代は早いです)。

中には、Wi-Fi機器の貸し出しや、ネットを繋ぐ費用のサポートを提供している大学もあるそうで、我々も議題には上がっています。

https://e-saiyo.com/432

企業の訪問について

表向きには世論に従った動きや姿勢を見せていくと思いますので、コロナが心配という世論が強ければ規制は掛かり続けるはずです。

実際我々も個別説明会は全面オンラインに切り替えとなっており、基本的には訪問もオンラインで受け付けています。

しかし、職員間での温度差もあり今後は分かりません。実際大学や職員達も、企業の動向も知りたいというのが本音のはずです。

オンライン化が進んだ今、これまでは行けなかった遠方の大学でも、セミナーに参加できるチャンスですので、まず電話でアプローチをしても決して損ではありません!

https://e-saiyo.com/793

キャリアセンターより最後に

もうほとんどの学生が、数年前までの売り手市場と同じなどと思っていません。

一旦止まった経済のツケは、恐らく自分たちの世代が払うことになる可能性が高く、今後どうなっていくのか?大きな不安を抱えている中、「なんとか良い会社を見つけたい!」と、学生達は必死です。

是非こんな不景気感溢れるニュースの中でも、「うちは新卒採ります!」と言ってくれる会社は沢山あると言うことを学生に届けて欲しいと思います。

動きが止まることはマイナス

ということで、今回はキャリアセンターのカウンセラーの方からのコメントでした。

文系私大ですので、実際に現場で学生と接点を持っている立場としては、理系に比べて就活が厳しくなったことを特に感じられたのでしょう。

コロナ禍によって大学訪問の形も変わっていくかもしれませんが、企業という実態や温度を知らない方も多い大学内で、益々企業との距離が遠ざかってしまうことが懸念されます。

形は変わったとしても、ぜひ積極的に大学との接点はお持ち下さい。