採用の裏側

離職者が少ないのはいい会社なのか?

離職率からいい会社は判断できるか?

若者雇用促進法改定に伴い、5年ほど前から求人情報(求人票)に新たに記載しなければならない項目が増えました。詳しくは下記をご覧ください。

<募集・採用に関する情報>
(1)過去3年間の新卒採用者数・新卒離職者数
(2)過去3年間の新卒採用者数の男女別人数
(3)平均勤続年数
※上記(1)~(3)の中から1つ以上の記載

<職業能力の開発・向上に関する状況>
(1) 研修の有無及び内容
(2) 自己啓発支援の有無及び内容
(3) メンター制度の有無
(4) キャリアコンサルティング制度の有無及び内容
(5) 社内検定等の制度の有無及び内容
※上記(1)~(5)の中から1つ以上の記載

<雇用管理に関する状況>
(1) 前年度の月平均所定外労働時間の実績
(2) 前年度の有給休暇の平均取得日数
(3) 前年度の育児休業取得対象者数と取得者数(男女別)
(4) 役員に占める女性の割合及び管理的地位にある者に占める女性の割合
※上記(1)~(4)の中から1つ以上の記載

こうした絡みもあってなのか、新卒採用で「離職率」を聞かれるケースが、以前よりも増えたような気がします(あくまで体感的ですが)。昔から「離職率が低いと長く働くことができて良い会社」という定説があります。

以前選考の話で「年齢」や「性別」を設ければ、能力の低い担当者でも見分けがつくので設けているという話をしたかもしれませんが、求職者側からすると離職率はわかりやすい数字として、開示を求められるケースが多いです。

今回は離職率が高い=本当に悪い会社なのか?というのを見ていきたいと思います。

離職率が高い会社のイメージ

離職率の高い会社のイメージを具体的に考えてみましょう。

まず大量に採用をします。

毎日きついノルマを課せられ夜遅くまで残業。

次々に辞めていく同期たち・・・気がつけば自分一人に・・・

なんでこんな会社に入ってんだろう?

やっぱり長く勤める人が多い会社がいいよね。と、すっかり暗くなった電車の車窓に映る自分の顔を見ながら思う。

離職率の高さに神経質になっている学生や求職者、お父さんにお母さん、周りのお友達や学校の先生、その他様々な人々。彼らが想像する離職率が高い会社のイメージは恐らくこんな感じでしょう。

確かに圧倒的な離職率の高さを誇る会社には問題があります。しかし単純に離職率の高低だけで考えると、意外な姿が見えてきます。

離職率ってなんだ?

実は採用担当者も離職率に関する質問や、出し方には頭を悩ませるケースが多いのです。

これは隠したいとかではなく「どこの離職率?」だからです。昨年の新卒入社の1年間なのか?全社においての1年間の離職率なのか?

昨年度入社した社員の離職率なのか?正社員とパート合わせてなのか?

質問する側も実際は基準を持っていないケースが往々にしてあります。母数や期間をはっきりとして欲しいのです。そして、採用担当者もそこの期間は持っていないケースもありますので、しっかりと質問してください!

リクルートって悪い会社なの?

具体的な社名を出して説明しますが、リクルートという会社を知っていますか?知らない人はいないと思いますが・・・。

一昔前、リクルートはある程度の年齢になると皆独立含め退職していたそうです。(最近はよくわからない「卒業」という言葉を使っていますが笑)

自身で必要な能力を身につけすぎのステージに進む、こうした独立含めた志向の高い人が集まる会社は人の入れ替えが激しいので、「離職率高い=悪い会社」の理論で言えば、悪い会社になってしまいます。

ぬるま湯の体制

新入社員の貴方が懸命に考えた改革案を上司に上げると、変化を望まない上司はそれを却下。

一生懸命働き結果を出しても、給与は年功序列で上ものんびりしている。

居心地いいですねこの会社。当然平均在職年数も高くなり、離職率も低くなるはずです。今後生き残ることは難しそうですが、離職率が低い理論で言えば「良い会社」です。

ちなみに3年以内の退職理由で、1年目が「思っていた仕事と違う」に対し、3年目に近い時期での退職は「これ以上いても成長が望めない」という理由です。

採用された人のレベルが低いか?

1年目でさっさと辞める人があまりにも多いケース。

これは会社の良い悪いよりも、入社した社員の質に疑問を持った方がいいかもですね。

「雰囲気が違った」「思っていた仕事と違った」

会社側があえて伝えていなかったケースを除けば、入社前の確認の問題です。確認不十分で入社した彼らに非がある可能性も高いです。

逆にこのケースが続いており、企業側で隠しているつもりがないようであれば、採用時の情報展開が悪いことと、それに気がつかない採用担当に原因があるかもしれません。

数値化は難しい

結論として、良い会社の基準を数字だけで判断することは非常に困難なのです。

「良い会社」という判断軸は、年齢や立場によって変わるので、社会人になって数年経てば、今良いと思っている条件が当てはまらなくなる可能性もあります。

たしかに数値化して判断することも大切ですが、自分にとって「良い会社」は何なのか?をはっきりさせて、他人に何かを言われてもブレない軸を作らなければ就活は失敗しますし、今後後悔します。

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